3-6 ページ17
マスターさん達が中心に集まり話し合いが始まった
心臓が外に出てきちゃうんじゃないかと思うほどに脈打つ胸を抑えながら結果を待つ
練習生達の方に目を向ければハオヒョンとオリー、ケイタくんが立ち上がって手を振っていた
あ…マシューもこっちに手振ってるㅎㅎㅎ
可愛らしいみんなの姿に少しだけ心臓が落ち着いたけど
はあ…終わったらまた緊張しちゃうな…
やっぱりステージにのめり込まないとだめみたい
「A練習生、結果をお伝えします」
『!』
ヨンジュンさんが用紙を見ながらそう告げる
悔いのないステージだった
正直楽しかった
どんな評価でも、
受け入れて次へ繋げよう
「………オールスターです」
『!!』
ヨンジュンさんの言葉に思わず目を見開く
震える手をなんとか抑えて、必死に頭を下げた
『ありがとうございます…、ありがとうございます…!』
夢みたいだ
僕がこんなにも素敵な評価を得られるなんて…
「まずは歌ですが、本当に素晴らしかったです。
正確な音程、音域の広さもそうですが、観客の心に響かせる天性の才能にとても惹かれました」
『そんな……』
「この歌声はただ努力をした人、ただ才能がある人には出せない歌声だと僕は思います」
ソクフンさんが優しい笑顔で続ける
「今までたくさん頑張ってきた証ですね、おめでとうございます」
その言葉に喉の奥が焼けるような熱さ感じた
『…ありがとうございます…!』
「これからも頑張ってください」
『はい…!』
会場を包む拍手と歓声
マスターさんたちの評価を胸に舞台袖へと捌ける
「転ばないでね〜!」
『こっ転びません!!わっっ!!』
「ふははは!!躓いてるㅋㅋㅋㅋ」
「あははㅎㅎㅎきようぉㅎㅎㅎ」
「あいぐ〜〜♡きよった〜〜♡」
「みんなメロメロㅎㅎㅎ」
かく言うグヨンもしっかりとお気に入りの様子
「ヤー……本当にすごかったな」
「ダンスもすごく上手いわけじゃないけど、成長の余地は全然あるし、もっと伸びると思う」
「ダンスも歌もいけるなんて……」
「うん。特に歌は、これまでも上手い子はたくさんいたけど、こんなにも感情が乗ってて、まるで自分に歌ってるかのように錯覚させる歌声は初めてだ」
「感情が乗っても安定してたし」
「本当にAの持つ技術がすごいのもありますけど、この番組にかける気持ちが強いのもありますよね」
「そう見えるよね。持ってる熱量が違うって言うか」
「その辺もそのうち紐解けたらいいね」
・
867人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えのもと | 作成日時:2023年3月19日 14時