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扉を開けた先には広々とした体育館のような場所が広がっており、興味津々の練習生達がなだれ込むように中へと入っていった
「俺らも行こ！」
『うん』
ケイタくんに手を引かれ、練習生達が集まっている場所へと足を進める
喜びと感嘆の声を漏らしながら群がる練習生であまりよく見えず、少し背伸びをしながら辺りを見渡した
『みんな楽しそう、なにがあるんだろう？』
「ん〜〜見た感じ練習着かな」
『！ わ〜……着るの楽しみにしてたんだ僕』
「ははっそうなの？
よかったでちゅね〜〜♡」
うりうりと頬をつつくケイタくんは相変わらず僕を子供扱いしたいみたいㅎㅎㅎ
されるがままでいると、強烈に強い視線を後ろから感じ、一瞬にして僕の表情は固まった
『………ケイタくん』
「ん？」
『………誰か僕のこと見てる？』
「え？………あーうん。超見てるㅋㅋㅋ」
『僕がうるさかったからかな…』
「いや〜〜〜あれは…Aと話したいって目だね、うん」
『本当に？騙してない？』
「急に俺への信頼なくなってるじゃん…
結構マジで言ってる、振り向いてみ？」
『………怖い』
「怖くない。はい！振り向く！」
『まっ…』
僕の心が定まる前に体をひっくり返すケイタくん
『…………』
「…………」
目線をそのままに振り向くが顔が見えなかった
自分よりもずいぶん上に顔があることを悟り、ゆっくりと視線をあげればぶつかった視線
その正体は予想外の人物だった
まるで年下とは思えないほど、威厳と余裕を感じる長身と逞しい体格
最初のステージからマスターさん達と練習生の度肝を抜き、一躍話題となったジェリーフィッシュの練習生、“パクゴヌク”さんが立っていた
『………』
「………」
何も話さないゴヌクさん
少し怒っているようにも見えるその表情に不安を覚え、ちらりとケイタくんを見るとニヤニヤと笑っていた
「はははㅋㅋㅋヤーゴヌク、うちのAになんか用か？」
『ケ、ケイタくんってば……』
「……あの」
『は、はい…！』
「………」
『………』
ゴヌクさんは口を結び、考え込むように目線をずらした後、またゆっくりと僕の目を捉え口を開いた
「………ステージめちゃくちゃかっこよかったです。
俺、Aヒョンと話したくて、ずっと機会窺ってたんですけど、………怖かったですよね、すいません、ジロジロ見ちゃって」
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作者名：えのもと | 作成日時：2023年3月19日 14時
