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ドクドクと速い速度で脈が刻まれていく。
これは……
「坂田と、いると、いつもこんな感じ。
何も思ってないわけないでしょ。
こっちだって、ドキドキしてるの…!
なんにもわかってくれないのだって
寂しいんだからね!ばーか!」
気づけば彼女の頬は真っ赤に染まっていた。
ふわふわした感情が胸で踊り出す。
さらに強くAの体を抱き締めて、
首筋に、噛みつくように口づけを落とした。
「…い…っ……!坂田……痛い…!」
「もう終わった。」
Aの首筋には赤い印がついている。
満足した俺はAの頭を撫でてから手を引いて
船内に戻ることにした。
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「A、おーいA?」
「ひぅ…!な、に?」
「何でさっきから下ばっか向いてるん?
こち見てぇや。」
通路で黙りこんで坂田の斜め後ろを歩いていると
そう坂田に除きこまれてしまった。
赤い瞳が優しく、私を見つめてる。
ドキドキと高鳴る心臓がうるさくって
坂田に聞こえるのは恥ずかしくて、
「わ、わかったから…!」
覚えず目をそらす。
あんなこと面と向かって言われたんだから、
恥ずかしくなるのは仕方ないじゃない。
無意識に首に手がのびていて、
坂田はそれに気づいたのか否か、
急に私を抱き抱えた。
「うわっ、て……坂田?なにし、て。」
「こっちのほうがAの顔がよく見えるし。」
なんて笑うからもっと顔に熱が集まる
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山犬 - 面白いです!はまっちゃったかも……頑張ってください!! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0a1d25e071 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 好きです!はい。これからも応援していますよ! (2017年7月24日 19時) (レス) id: 2a7062127e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかば | 作成日時:2017年5月23日 22時