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「オイッ…!!」



男が私に向かって小さく叫んだ。




まるで、その手を止めろ、とでも言うように。



私は立ち上がって、何故か兄の近くに転がっていた
折り畳み式のナイフを掴んで
男をキッと、強く睨み付けた。


男の吸い込まれそうなほど赤い瞳を
これでもかと睨み




「許さない…!」


そう叫んだ。



「許さない許さない許さないッ!!!



八つ裂きにしてやる!!!!」



私はナイフをきつく握りしめて
男に向かっていった。


死んでもよかった。どうせ殺される。
なら兄の仇をうってから死のう。
そう思った。



私のナイフは案の定、軽々と避けられてしまった。



「ちょっ、待てって…!!」


これでもかと攻撃するが
私のナイフは全て避けられる。



悔しい。


私は少しフェイントをかけて男を切りつけた。




「っ…………!!」


男はバランスを崩した。



今だ…!!!



私は無我夢中に、
ナイフをお腹の前に構えて走り出した。


グサッ




手応えがあった。
怖くて目を瞑ってしまっていたから
どうなっているのかわからない。




ゆっくりと目を開けると、手元には

血の滴るナイフ、





を、何も気にすることなく素手で掴む男の手。


「っ…」


いつの間にか男の手が私の方にのびてきて



首に激痛を感じた。




そこで私の意識は途絶えた。

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山犬 - 面白いです!はまっちゃったかも……頑張ってください!! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0a1d25e071 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 好きです!はい。これからも応援していますよ! (2017年7月24日 19時) (レス) id: 2a7062127e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかば | 作成日時:2017年5月23日 22時

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