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「まずお前は、

殺気を消せてない。


コイツを今から殺す!ってなったときに
相手が相当の手練れだったとしたら
殺気を隠せていないとすぐばれる。

気配が消せてないってことだからね。


だから、
まずはお前自身が気配を感じとる稽古するよ。」

うらたさんの説明に相槌をうって
稽古を始める。


それから一日、
うらたさんはずっと稽古をつけてくれた。

たまに志麻とセンラが覗きに来た。
坂田なんてずっと近くで座っていた。


日が落ちて、星が瞬く夜空。
少し肌寒くなってきて、軽くくしゃみをする。


「ふぅ、今日はこの辺で終わり。
じゃ飯食うぞ。ラマンがなんか作ってるだろ。」

そう言ってから
うらたさんは坂田にチラリと視線をやった。
なんだろう、と思って坂田を見ると、
コートを脱いでおろおろしていた。



「お前がくしゃみするから
風邪引いてねーか心配してんだろ。

やべーほど過保護だなアイツ。」


と、坂田に哀れみの目を向けるうらたさん。
私を、心配してる?坂田が……。


「ちょっとうらさん!やめてよ!もぅ!」


ぷんぷんと効果音が出ていそうな感じで
怒って部屋の中に入っていった。

「飯食ったら直るだろ。」

「単純なんですね。」


そう呟くと、ぶはっと吹き出して笑っていた。
その時、鼻をくすぐるにおいがした。
そして同時にお腹がなりそうになった。


「なんかシチューみたいなにおいする。」


きっとご飯はシチューなんだろう。
お腹がなるのを押さえながらうらたさんと
食事の部屋に向かった。


そう言えば
船は広すぎてまだどこに何があるか知らないことが多い。
まだ誰かについていかないと迷う。


部屋に入ると、鍋を持ったエプロン姿のセンラが
テーブルに鍋をおこうとしていた。


「あ、うらたん来た。
ほら座って座って。」


椅子に座って食事を始める。


「そう言えば、Aはいくつなん?」


唐突に志麻にそう問われる。
いくつって、…

「…19です。」

「おっ、さかせんの一個下やん。」


坂田が私を見てニコニコ笑う。
本当だ機嫌なおってる。


うらたさんとアイコンタクトを交わして笑った。


「ちなみにうらたんは22ですよ。まーしぃは21。」

「うらたさん年上なんだ。」


同い年くらいだと思ってた。
確かに年上の威厳はあったよね。


「黙れ誰がチビだ。お前よりはでかい。」

「まだ言ってませんよ。」


心の中まで入ってこないで。
ホントにビックリした。

っていうか、


「チビじゃないもん…。」

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山犬 - 面白いです!はまっちゃったかも……頑張ってください!! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0a1d25e071 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 好きです!はい。これからも応援していますよ! (2017年7月24日 19時) (レス) id: 2a7062127e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかば | 作成日時:2017年5月23日 22時

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