七話 ページ9
、、、、、
探偵社についた。
横浜の地図は映姫さんに勝ちたくて、何か一つでもみんなの役に立ちたくて覚えていた。
それが役に立ったのだ。
体が震える。それでも開けた。扉を開けた。さっきは開けることのできなかった扉を開けた。
『こんにちは、遅れてしまい申し訳ありません』
怖かった。みんなはもうついていて、一気にみんなの目が私に向いた。
目を見ることが怖くて、みんなの顔を見るだけでもう吐き気がした。息が苦しくてでも私は、これだけは絶対誰にも負けない自信があった。
“誰よりも分厚く思い厳重な黒のベール”を顔に纏うこと。
私の唯一の特技。
必死に笑う。誰も気づかない気づいてくれない。
いいんだこれでこれでいいんだ。
「あら!待っていたのですわよ!?」
「おはよ〜」
《おはよう、》
みんながそう言った。
それだけだった。
それからみんなはまた、みんなと喋り始めた。
ナオミちゃんだって待っていたのですわよとか言ってたくせに、映姫さんとすぐに喋り出した。
気持ち悪い。
気持ち悪い。気持ち悪い。どうしよう。吐き気が止まらない。目眩がする。もう無理だ。
みんなの手つきが行動が声が全て穢らわしい。
きっとこの分厚いベールのせいだ。自分を隠すために周りを汚く見えるようにしてしまった。
「?Aどうしたの?」
そう乱歩さんが言った。
嬉しかった。名前を、呼ばれたことがすごく久しぶりに感じた。
でも無理だった。穢らわしかった。
私は扉を乱暴に閉め、自分の服を破り、また口から吐き出すように出てきた血を指につけ退職願を書いた。
すぐに社長室を出て、それを出した。
社長の顔はもう見えなかった。全部全部汚らわしく見えて汚くて、社長の姿は真っ黒で、表情も何も分からなかった。
怖くなってすぐに部屋を出た。
慌てて走った。
後ろから、“みんな”が走ってくるのがわかった。
私を追いかけてくれているのだろう。
無理だった。もう誰が誰か分からず、ただ気持ち悪い。怖い。何も分からない表情もが見えない。
苦しかった。
私は屋上にたどり着いた。みんなはまだついてきて、みんなと私の距離は残り7メートル弱しかなかった。
近づいて欲しくなかった。
みんなの姿を見るたびに吐き気を催して、どんどん自分が吸っている空気も汚く見えて息をするのが怖くなった。
私はフェンスに駆け寄った。みんなが何かを言っていたが、私には未知の言葉にしか聞こえなかった。
穢らわしい。、、、いやだ。
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白雪?(プロフ) - 枝垂桜さん» そうですか!少し嬉しいですね、ありがとうございます。ならもし作る機会があるのなら…やらせていただきますね。私の作品殆ど未完ですけどそういう系多いので(⌒-⌒; ) (2018年8月12日 12時) (レス) id: 8403ebf52e (このIDを非表示/違反報告)
枝垂桜 - 白雪?さん» ちょうど私、探偵社やめます の様な、なんて言うんですかね…嫌われ?みたいな感じが好きです!何言ってるかよく分からないですよね!すみません!まあ、要するに私、探偵社やめますの作品みたいな感じです!(分かりにくくて本当にすみません!!) (2018年8月12日 8時) (レス) id: 05de94b2f8 (このIDを非表示/違反報告)
白雪?(プロフ) - 枝垂桜さん» そうですね、私も死ネタは大好きなので…時期に書こうかと思います!どのようなものが好きなのですか! (2018年8月12日 1時) (レス) id: 8403ebf52e (このIDを非表示/違反報告)
枝垂桜 - 面白いです!楽しく読ませていただきました!あの、もしも次の作品を作る時は文ストの死ネタを書いてくれると嬉しいです!あまり、私好みの死ネタが無くてですね… (2018年8月12日 1時) (レス) id: 05de94b2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:人間失格〜太宰様を崇め隊 | 作成日時:2018年4月16日 21時