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涼太が熱を出した。
本人は隠し通すつもりだったんだろうけど
顔を見ればすぐわかった。
俺の目は誤魔化せないからね。
涼太を部屋へ行かせて一階へ降りると
何か察したのか辰哉兄ちゃんがこっちへ来た。
「涼太熱あった」
「やっぱりか、さっき体調悪そうだったし。ありがとうな。涼太部屋にいる？」
「うん。…あ、俺が看るからいいよ」
「え！？大丈夫なの？」
「だいじょーぶ、いつも頼ってばっかだし」
涼太の職場に連絡よろしく
とだけ伝えて必要なものを持って駆け足で向かう。
辰哉兄ちゃんうるさいから。
そんな心配されなくても
俺だって看病のひとつぐらいできるもんね。
「涼太、」
もう寝てるかななんてそっとドアを開ければ
目を潤ませながらこちらを見つめていて少し驚く。
「どうしたの、しんどい？」
「いや……寂しかった、」
なんて珍しく言ってくるもんだから少し頬が緩む。
よし、雪村翔太、尽力します！
「はい、ちょっと冷たいよ」
まずは冷えピタをおでこに…
「わっ！」
「……なにしてんの」
フィルムを剥がそうとすると
冷えピタが手に貼り付いてしまった。
「もう、貸して」
「ごめん…」
俺が看病するはずなのに
涼太に手伝ってもらう始末。
「あ、薬、飲まなきゃ」
「いい、」
「しんどいままだよ」
薬を拒否する姿はまるでいつもの俺を見ているよう。
さすが双子って感じ。
俺が言うことでもないけど。
「ゼリー、持ってきたから」
「ん…」
涼太のことだから俺の頼みは断れない。
そう思って少し強引に口元にスプーンを持っていけば
ひと口食べてくれた。
「もういい…」
「え、もう食べれないの？」
それから2、3口食べると涼太は俺の手を退けた。
俺は普段から少食だと自負しているけど
涼太はちゃんと量を食べるから
その少なさにびっくりする。
「じゃあちゃんと寝るんだよ」
薬を飲ませると段々眠そうにしてきたから
ゆっくり寝てもらおうと思って立ち上がると
しょうた、なんて消え入りそうな声で呼ばれる。
「えっ、どっか怠い？」
焦って聞けば
違うって首を振られた。
「……ここに、いて」
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呉葉(プロフ) - ききさん» ききさんに作品を知っていて頂けたこと、とても光栄です。まさか読んで頂けていたとは…。こちらこそいつもありがとうございます！ このご時世ですので、どうかお体に気をつけてお過ごし下さい。 (2020年6月7日 14時) (
レス) id: 676d38c831 (このIDを非表示/違反報告)
きき(プロフ) - 呉葉さん» 「深澤家の兄弟」の作者様ではないですか…！いつも楽しみに読ませていただいてます。書くたびに試行錯誤していたのでそう言っていただけると本当に嬉しいです。また楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: e52f10bd3d (このIDを非表示/違反報告)
呉葉(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも更新を心待ちにして拝見しておりました。設定やタイトル、心情表現などどれも素敵で読み返して何度も楽しませて頂きました。またどこかでききさんのお話に巡り会えることを楽しみにしたいと思います。お疲れ様でした。 (2020年6月6日 18時) (レス) id: 676d38c831 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶.(プロフ) - ききさん» 読んで頂いてたのですか！！？まさかすぎてビックリしました…こちらこそ大好きな作者様に言っていただけて光栄です(><)家宝にします！！← (2020年6月6日 18時) (レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
きき(プロフ) - 緑茶.さん» 緑茶.さん？まさか、と思って見たらそのまさかでした。「道化師の瞳」「約束のしおり」をずっと読ませていただいてて、「Snow短編集」もいつも楽しみにしてます！そんな好きな作者の方にこうやって言っていただけるのは嬉しい限りです。本当にありがとうございます！ (2020年6月6日 0時) (レス) id: e52f10bd3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きき | 作成日時：2020年5月5日 13時
