いつの間にか大きな存在になっていた君 ページ6
side：You
『 あれ、なんの騒ぎかと思ったら道枝くんやし 』
表情を作るのは昔から上手かったから、この言葉が嘘ばかりなのは咲良にすらバレていないと思う。本当はさっき見たし、騒いでるのも納得できた。
なんとなく、道枝くんはそういう「 女子の黄色い悲鳴 」みたいなのが、嫌いそうに見えた。
だから ─── とかじゃないけれど、あくまで私はいつも通りの自分でいることにして。
道枝「 、倉木さん 」
まず思ったこととして言わせて欲しい、道枝くんって私の名前知ってたんだ。
他人に関心がないと思ってたから意外だな。
『 んーと、おはよう？ 』
道枝「 おはよ 」
『 今日はなに、ご機嫌なの？昨日みたいに素っ気なくないね？ 』
道枝「 あ、や、昨日はさすがに悪かったと思ってんで 」
昨日と考えでも変わったのか、気さくに話してくれる道枝くんにほっとしながら、周りを見渡せば視線も昨日とはまるで違った。勝手に話してろみたいな、興味もないであろう視線が、アイドル道枝駿佑と話してるっていう事実に変わってからは、まるで違ったんだ。
『 あはは、反省してるならいいよ(笑) 』
道枝「 …… んと、これ見てもなんとも思わへんの？ 」
『 これ？ああ、見た目 … ？確かに変わったけど、道枝くんは道枝くんってことに変わりないじゃん 』
道枝「 ………… はーーー、そういうとこ 」
『 どういうとこ！？(笑) 』
ごめんね、道枝くん。
これ、全部が本音ってわけじゃないんだよ。
私、心のどこかで君に気に入られたいって思ってる。偽りの私でもいいから。
こんなふうに思うなんて。いつの間にか私の中で、
道枝くんの存在が大きくなっていたのだと嫌でも気づいてしまった。今、格好いい事が皆にバレた彼に気に入られようとしたって、もう遅いのに。
咲良「 いつの間にそんな仲良くなってんの 」
『 別に仲良いとかじゃないよ、私が一方的に話してるだけみたいな … 』
咲良「 えー！私も話したいなあ 」
すぐに言葉を返せなかった。
ずっと一緒に過ごしてきた親友にすら、醜い気持ちを持ってしまうなんて。きっと私、優越感を持ってしまったんだと思う。他人とあまり話さない道枝駿佑と、対等に話が出来る、ただそれだけ。
それだけで、だから、なんだと言うのだろう。
救世主が救世主じゃないかもしれない→←本当は吃驚してた、なんて
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16(プロフ) - コメントありがとうございます！初作なのでそう言っていただけて良かったです。とても嬉しいです〜〜〜！ (2021年8月26日 17時) (
レス) id: bea9e0bed1 (このIDを非表示/違反報告)
Hano.(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！！これからも更新待ってます！ (2021年8月26日 11時) (レス) id: 56ad16bf12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：16 | 作成日時：2021年8月17日 18時
