半端な学校生活と一変させた君と ページ1
side：pink
地味で、冴えなくて、いつも一人。
何考えてるかも分からへん、それが学校の俺。
正確に言えば、学校生活において作り出された俺の虚像、なんやけど。
「 道枝？おったっけ、そんな奴 笑 」
「 おるやんあの、長い前髪ぶら下げて本読んでる ── 何考えてるかわからへん男子。 」
「 名前負けしとるなぁ 笑 」
「 私、道枝と同姓同名のジャニーズ知ってんで！道枝と違ってイケメンでめっちゃ推せるんよ！ 」
「 どれ、どれ！？ほんまやカッコイイやんっ！ 」
残念、それは紛れもなく俺やで。
“ 道枝と違って ” とか、 “ 名前負け ” とか。
俺がその 道枝駿佑 ってわかった時、アイツらどういう顔すんねやろ。
だからって別に、正体を明かす気はさらさらない。
態度を一変させて尻尾振ってくるのが想像出来すぎて笑うしかないやん。
午後は早退 ─ というのはレッスンが午後からあるからで ─ するんやし、誰とも関わりたくない気分やから、好きでもない本を手に取って読んだふりなんかしてページをめくる。
「 何読んでるん？ 」
本なんて集中して読んでへんから、すんなりと耳に入ってきた声。
聞かれたら答える、っていうのは最低限のマナーやし、向こうも分かってて聞いてきてると思うねんけど。
周りは、普段誰も寄り付かない俺の元に自ら出向いたその女子にギョッときた顔の奴も居れば、興味ありげに見ている子もおる。
『 … あー、…… ミステリー ？ 』
実は本の題名も知らずに読んでます、
なんてふざけたことは言えへんし、適当に言い繕うしかないやん。
実際は本に被せたスマホ、見てるだけやねん俺。( )
「 ── ぶっ、あははっ！なんやねんそれ！自分で読んでる本やのに分からへんの？道枝くんって案外面白いんやねっ、ひぃ 笑笑 」
『 じ、自分から聞いといて笑うなや。… ……、
そもそも、俺に話しかけること自体、お前 ─ やなくて、君が浮くから辞めた方がええんや、ない？ 』
やっべ、口悪くなってまうとこやった(
ちら、と話しかけてきた女子の方を覗き見れば、ぽかんとした顔で固まっていた。
「 え、なんでなん？私が道枝くんと話してみたかったから話しかけただけやで。 」
思いもしなかった言葉に思わず顔を上げると、目に入ったのは胸ポケットに入れられた生徒手帳。
─── 倉木A。
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16(プロフ) - コメントありがとうございます！初作なのでそう言っていただけて良かったです。とても嬉しいです〜〜〜！ (2021年8月26日 17時) (
レス) id: bea9e0bed1 (このIDを非表示/違反報告)
Hano.(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！！これからも更新待ってます！ (2021年8月26日 11時) (レス) id: 56ad16bf12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：16 | 作成日時：2021年8月17日 18時
