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するとフィルは、ゆっくりと私の頬に手を当て
虚な目で穏やかに微笑む
無線から手を離し、頬に当てられた彼の手をギュッと握って
寄り添うように目を瞑れば
自然と涙が溢れて頬を伝う
寄り添うように目を瞑れば
自然と涙が溢れて頬を伝う
ロ「…哀れだな」
振り向くと、パネルのボタンに手をかけた彼が
落ちていくガラスケースを見つめながら、静かに呟く
ロ「愚かにも神に争った結果がそれか？
本来あるべき姿のまま、こうべを垂れ、跪き
大人しく支配されればいいものを」
一歩、また一歩と静かに近づいてくる彼は
恐ろしいほどに無表情で私を見据えている
ロ「そしてお前はまた
… …力を持ち合わせていながら
その無力さを思い知ったわけだ」
ロキの言葉は、確かな鋭さと鉛のような重さを持って
私の心の柔らかいところにずぶずぶと深く突き刺さっていく
フィルを思って流していた涙は
次第に真っ黒く染まっていくような感覚に襲われ、心だけではなく体までもが汚染されていくようだった
ロ「… …何も言い返せないか
そうだろうな、お前はもう奴らにとって役立たずの、用無しだ」
チェックメイト、とでも言うかのように
真っ黒な闇で私の心を奪ったロキ
だらんと力が抜け
握っていたフィルの手がすり抜けそうになった時
フィ「お前は負ける」
言葉と共にフィルがしっかりと私の手を繋ぎ止めた
先ほどまで弱々しく、今にも命が尽きそうだった彼は
瞳にしっかりと力を宿し、ロキを見ていた
ロ「ヒーローはバラバラ
この空飛ぶ砦も次期墜落だ
なぜ私が負ける？」
握られたてから伝わる暖かさは
私の奥深くに突き刺さった鉛をゆっくりと溶かし
真っ黒に染まった心を綺麗な光で照らしてくれるようだった
フィ「お前には信念がない」
ロ「私のどこがっ」
その瞬間、銃口から激しい光線が飛び出し
ロキもろとも壁を突き破った
フィ「なかなかいいね」
そして、彼はゆっくりと私の方へ視線を向け
再び穏やかな表情を見せた
フィ「いいかいヨナ…
君のその力は、神様からの贈り物だ
…つまり、君にしか成し得ない事がある
君を幼い頃から見てきた私が証明する
役立たずでも、用無しなんかでもない
皆が君を必要としている
…わかるね？」
まるで幼い子供を諭すようなその口調
同時に、繋いだ手から私の脳内にフィルの思考が流れ込んできた
文句ひとつ言わず毎日のように飛行訓練に付き合ってくれた事
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M-tAnt(プロフ) - Rubyさん» ありがとうございます泣 とても励みになります…これからも楽しんでいただけるよう努めます…！ (2020年9月20日 20時) (
レス) id: 9fb1a359d3 (このIDを非表示/違反報告)
Ruby(プロフ) - 続きが楽しみです！更新待ってます！ (2020年9月20日 12時) (レス) id: ccc02d9cf9 (このIDを非表示/違反報告)
M-tAnt(プロフ) - _krykhyhyさん» ありがとうございます 泣 何かと至らない作者ですが、そのお言葉で頑張れますT_T (2020年9月20日 10時) (レス) id: 9fb1a359d3 (このIDを非表示/違反報告)
_krykhyhy(プロフ) - お話好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年9月20日 0時) (レス) id: bb966f0c42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M-tAnt | 作成日時：2020年9月19日 8時
