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力を使って一旦みんなを黙らせるのもアリだけど
全員の目を一斉に奪えるほど私の力は強くないし、方法もわからない
何より、大人たちのそれに私が介入したところで
また先ほどのように飛び火を食らうだけだ
これじゃあ本当にロキの思う壺
博士を怒らせ、我々を内側から引き裂こうとしている
…まったく
私は壁から背を起こし、静かにその場から後退り
元来た道を歩き出した
______________...
ピッ、ピッ、ピッ、
プシュー…
セキュリティを解除し、扉を開けた先は
みんながいるラボの数階真下
無機質な鉄の壁に覆われ、真ん中には大きなガラスケース
いや、ケースと言うにはあまりにも禍々しいか
しかもそれを管理するセキュリティは、この船のどこよりも頑丈だ
そしてそのガラスケースには
ご存知、噂の困った王子様
こちらの存在に気付いているはずなのに、見向きもせず
彼はただじっと中のベンチに座っている
私自身も何か発するわけでもなく
ゆっくりと檻に近づき、床へ座った
ガラス越しに彼を見据える
『来ると思ってた？』
勿論彼は何も答えない
何でこの人、いや、この神？
私に対してこんな邪険なの
敵だし、それが妥当と言えば妥当なんだろうけど
なんか特別嫌われているような気がする
向きを変え、ガラスを背もたれにだらーっと体重を預ける
これから大仕事が待っていると言うのに、一気にいろいろあり過ぎてなんだか疲れた
しかも、情けない事に
ロキにコテンパンに負けた私は、わりと心打ち砕かれていた
勿論、みんなには言ってないし、いつも通りのAだったと思う
みんなも特に何も言わなかったし、多分バレてない… … … と思う
何しろ、この力で敵に負けたことは今まで一度も無い
自分の中でこの力が最強で、自分自身を強く守ってくれていたし
任務にも大きく役立っていた
それが今はどうだろう
いとも簡単にポッキリと折られてしまったのだ
何か打開策を見つけようにも、私の力には勿論教科書なんて無い
教えてくれる人もいない
どう扱ったら強くなるのかもわからない
全部自分でどうにかするしかない
ああでも、私がもっと容量良ければどうにか上手にできたのかも知れない
そうすれば、ロキに頭いじくられる事もなかったし、上でやってる喧嘩も止められたかもしれない
…ああダメだ、私こんなに気にする性格だったっけ
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M-tAnt(プロフ) - Rubyさん» ありがとうございます泣 とても励みになります…これからも楽しんでいただけるよう努めます…！ (2020年9月20日 20時) (
レス) id: 9fb1a359d3 (このIDを非表示/違反報告)
Ruby(プロフ) - 続きが楽しみです！更新待ってます！ (2020年9月20日 12時) (レス) id: ccc02d9cf9 (このIDを非表示/違反報告)
M-tAnt(プロフ) - _krykhyhyさん» ありがとうございます 泣 何かと至らない作者ですが、そのお言葉で頑張れますT_T (2020年9月20日 10時) (レス) id: 9fb1a359d3 (このIDを非表示/違反報告)
_krykhyhy(プロフ) - お話好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年9月20日 0時) (レス) id: bb966f0c42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M-tAnt | 作成日時：2020年9月19日 8時
