検索窓
今日:51 hit、昨日:6 hit、合計:60,219 hit

6-3 ページ20

バートンの声を振り切り
ただひたすらに走る
そして、倉庫の先端が見えてきた頃
私は意を決して高く跳び上がった


バサッ


翼は開かれ、私は大空を舞う



が、しかし



案の定それ以上羽ばたけない私はそのまま急降下
地面に向かって一直線に落ちていく


ぐっと目を瞑って、墜落を覚悟をした時



ギュッ



暖かいものに包まれた
恐る恐る目を開けると
放り出した体は地面に叩きつけられたわけでもなく
地面すれすれのところで浮いている




バ「バカかお前は!!

このまま落ちてたら骨折るだけじゃ済まねえぞ!!」



バートンが素早くワイヤー付きの矢を放ち
寸前で抱きかかえてくれたのだ




ニ「おい!何をしているんだ!!」



すると、後ろからニックの怒鳴り声がした
ナターシャとフィルも一緒だ

私はそっと地面に下ろしてもらうと
こちらへ走ってきたニックにペチっと頬を叩かれる




ニ「いいか、君には翼があっても飛べないんだ
そして飛ぶ必要もないんだ
そんなことをするくらいなら、数式の一つや二つを覚えろ!

今後の君の飛行訓練は一切禁止にする!
何があってもだ」



ナ「ちょっと、そんな言い方…」




フィ「長官、それは言い過ぎです」




ニ「いいから君らは黙っていてくれ」



私は俯いたまま何も返事をしない

目一杯に滲んできた涙
地面にこぼれそうになるのを腕で拭って
精一杯反抗の表情を作る



『ニックのバカ!!!!!!』



そう言って思いっきりグーでパンチした後
全速力で走り去って行った

フューリーは想定外
というより、奇想天外な出来事に固まってしまった


ナ「逞しい子だわ」


フィ「長官に馬鹿と言って、ましてやグーで殴れるなんて彼女くらいですね」


バ「まったく、世話の焼けるちびっ子だ」



そこへ、騒ぎに気づいたのか
ヒルが近づいてきた


黙って一つのタブレットをニックに手渡す

そこには、私の今までの勉強や運動面での成績、そしていくつもの動画が添付されていた


ナ「勉強の成績は、同じくらいの年の子の中じゃ常にトップ
数式の一つや二つ、覚えるだけじゃなくて使うのもお手の物よ」


フィ「なにより、運動神経も抜群」


ヒ「動画を見てください」



ニックは動画をタップする


"マリアー!いくよー!

せーの!"



ドサッ



"痛てて…あーもー!


よーし、もう一回!"


また別の動画では


"フィルー!ちゃんと撮っててねー!


いち、にの、さん!"



フワッ




ドサッ

6-4→←6-2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
71人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

M-tAnt(プロフ) - Rubyさん» ありがとうございます泣 とても励みになります…これからも楽しんでいただけるよう努めます…! (2020年9月20日 20時) (レス) id: 9fb1a359d3 (このIDを非表示/違反報告)
Ruby(プロフ) - 続きが楽しみです!更新待ってます! (2020年9月20日 12時) (レス) id: ccc02d9cf9 (このIDを非表示/違反報告)
M-tAnt(プロフ) - _krykhyhyさん» ありがとうございます 泣 何かと至らない作者ですが、そのお言葉で頑張れますT_T (2020年9月20日 10時) (レス) id: 9fb1a359d3 (このIDを非表示/違反報告)
_krykhyhy(プロフ) - お話好きです!更新楽しみにしてます! (2020年9月20日 0時) (レス) id: bb966f0c42 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:M-tAnt | 作成日時:2020年9月19日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。