良い女~2~ 【佐野 万次郎】

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今日はマイキーの後ろに乗って来たせいで自分のバイクが手元に無い。下駄だし走るのは無理だと判断し東卍連中のバイクを勝手に借りフルスピードで飛ばす。が、


『なんだよこれ!!カスタムし過ぎてスピード全然出ねぇじゃん!!』


そう、暴走族の様にカスタムされたバイクのお陰でまぁ遅い遅い。自分のバイクと比べるのがいけないとは思うが。
まぁ無いよりかはましだと思いながら出来る限りのスピードを出しタケミっちが通ったであろう場所を通る。すると前に東卐の隊服に来た奴等がタケミっちの前に立ちはばかっているのが見える。急いでバイクを近付け彼等の横に停めてはバイクから降りタケミっちの前に立つ奴等を睨み付ける。


｢Aさん…｣

『おい、何だこの状況。説明しろよ』


怪我人であるケンちゃん、そしてタケミっち達は立つのもやっとの状態。何時しかのキヨタケくんは地面に倒れ目の前に立つ東卍の一員であろう此奴等はあたしを見るなり怯えている。


『ねぇ、説明しろって。何でタケミっちの邪魔してんの?』


ゆらり、ゆらりと近付けば彼等の表情は青ざめていく。やがて彼等の目の前へと近付けば1人の頭を鷲掴み壁にそのまま叩き付ける。


｢あ、が、｣

『あたしさっき顔傷付けられてさぁ、機嫌悪いんだよね。だから早く説明してくんない?裏切りましたって』


叩き付けた其奴を地面に捨てればそのまま頭を踏み付ける。その姿に先程までビビっていた奴等が何処で奮起したのか知らないが此方に襲い掛かって来る。


『裏切り確定ね、了解。遠慮なく』

『殺、せるわ』


にひる、と悪い笑みを浮かべては襲い掛かって来る奴等にマイキー直伝の回し蹴りを決めそのまま1人地面に叩き付ける。そして其奴の腕を掴み思いっきり蹴り上げ腕を折れば1人、また1人と倒していく。


『あれ、まだいけるよね?何処の弱い隊なんか知らないけど東卍裏切ったんだもん。これくらいされる事予想ついてたよね?』

『マイキーの大切なモン潰そうとして…いいご身分だなぁ?』


にこにこと笑ってはいるが恐らく目は笑っていない。目の前の其奴の瞳に映るあたしは何とも醜くマイキーには見せられない。｢すい、ませっ、｣と嘔吐きながら謝っている其奴の指を折ろうと腕に力を加えると遠くの方からサイレンの音が聞こえ指をぱっと離す。


『残念、ここまでみたい。早く逃げないと捕まっちゃうよ?捕まりたいならいいけど』

｢ひっ、い、行くぞ!!｣

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