九十二話 ページ17
いつまでこの生活が続くのか、はたまた孤独で死を迎えるのか。
あの時は無我夢中で逃げていたが、だんだん黒く身を染めている者は自分の敵だと認識し始めた。
またAはずっと不思議に思っていた。
行く先々で、旅人だと名乗ればその島の人々は快く迎え入れてくれる。親切にもしてくれる。
だがある一定の期間、そこで過ごすと追い出されてしまう。
皆、私に向かって口々に言う言葉は＿＿＿“悪魔”
自分の行いが何か、人々に気の障ることをしたのか、考えてみても分からないままだった。
転々としていたある島で大きな図書館がある島で、本を探した。
選ぶ本の内容は基本的には“この世界について”
Aは自分の住んでいた場所は、
数を多く読んでいるうちに、Aの目にふと入ったのは“悪魔の実”についての本だった。
悪魔の実という存在を初めて知ったが、A自身、ソレを食べてしまったと自覚するのはもう少しあとの話。
逃亡生活が約2年を迎えた頃。
Aは最初の頃、航海術は持っていなかったものの、自然と体が覚え小舟を操ることは出来るようになった。
能力の暴走は、完全には
自分の食べた実、“ピエピエの実”について知ったのはもう1年以上前。
知ったところで暴走の解決方法など載っている訳もなくて。
怖がられる日常を続けていたAは、この時は既に人を信じることはほぼ不可能に近かった。
また、いつものように島に上陸する。
この島は人の賑わう市街地もある一方で、無法地帯もある、少しシャボンディ諸島に似たようなところだった。
適当に食糧を調達したらすぐ出ていくのがいつものルーティーンだが、流石にここら辺りで身を置いて置こうと考えたAは、島の中心へと歩を進めた。
お金などある訳がないので、ひたすら島を探索する。
市街地を抜けてずっと歩いた先には人こそ居ないわけではないが、生気を感じない場所へと着いた。
所謂、無法地帯の場所へと着いたのだ。
Aにとって人の目がないのは都合がいいので適当に空き家に入り、ひとまず睡眠をとることとした。
目を閉じて、彼女が夢をみているだろうその時
音もなく彼女の元に寄る一つの影には誰も気付くはずもない
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年11月3日 19時
