Xmas painted red / 城戸真司 ページ34
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リンリンと鐘が鳴り、暗くなった空とは対照的にきらきらと光る丸やハートの飾りが大きなツリーへお洒落に掛けられている今日は、12月25日。
世の中はクリスマス真っ最中のなかにひとりぽつんと信号待ちをするなんて、なんと寂しいことだろう。死んだ目になるのも無理はないと思う。
右を見ても左をみてもカップル、カップル、カップル。
笑顔を誘うイルミネーションが会社からとぼとぼと帰っている私にとっては眩しすぎてあからさまに視線を逸らす。
思わずついた白い溜息。そろそろ寒くなってきたしこれ以上は心にも身体にも毒だ、うん、早く帰ろう。
__人混みの中の隙間へと器用に入り込みながら帰っている時に、ふと聞き馴染みのある声がきこえた。
視線を向ければ案の定見知った顔だったのだが、服装は赤い帽子に赤いもこもこの上着とズボン、それになんとも似合っていない髭がついている。手にはなにやら文字が書かれている看板。
「真司くん？」
「え、Aちゃん！？」
「なんでサンタクロースの格好してるの？それにその看板……えぇと、ケーキ30%オフ？」
「エ！？これは……ちょ、ちょっとね｣
あははと乾いた笑いをする彼。まさか、また何かやらかしたのかとじとりと見つめればバツが悪そうに視線をそらされた。はぁ、この男は本当に……。
「……じゃあ私もひとつ買おうかな」
「ほんと！？」
私の言葉を聞いた途端にぱぁと顔を輝かせる真司くん。うん、眩しい。だけどイルミネーションよりこっちの方が私は好きだなとつられて笑みをこぼす。
「はい、1750円」
「ひぃ、ふぅ、みぃ、まいどあり！」
私へ商品のケーキを渡そうとしてきた彼の手が、ピタリと止まった。
「…ん？真司くん？その、、ケーキは？」
「あ、あのさ、俺あと30分であがれるんだけど」
「もし良かったらおれと！」
プップーー！！！！！
突然、車のクラクションの音があたりへ鳴り響く。
「……ごめん、聞こえなかったや」
ショックを受ける彼の顔。思わずぷっと吹き出す。
「……このケーキ、私一人じゃ無理だからこのあと一緒にどう？」
「！！！」
大きく縦に首をブンブンと振る彼に苦笑いしながら、待ち合わせ場所を決めてその場を去る。
ショーケースに写った私の耳が赤いのは、きっと今日が一段と寒いせい。
今日も明日もこの先も / 桜井景和→←◆幸せ、再確認 / 雉野つよし
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いとこんにゃく(プロフ) - ?さん» リクエストありがとうございます！了解しました！ (2023年3月21日 21時) (
レス) id: 7d068b8785 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - どうも､リクエスト失礼します！オーズのウヴァさんでツンデレ〜な感じで宜しければ書いて頂きたいです！ (2023年3月20日 10時) (レス) id: 2395e0c03b (このIDを非表示/違反報告)
いとこんにゃく(プロフ) - 刻卯さん» はじめまして！了解しました！お時間頂くかもしれしれませんが気長にまって頂けると助かります！ (2023年2月26日 18時) (レス) id: ebebe27350 (このIDを非表示/違反報告)
刻卯(プロフ) - はじめまして！リクエスト失礼します。ギーツで甘めのキューンくんを書けたらで構いませんのでお願いします。 (2023年2月26日 17時) (レス) id: e20218d379 (このIDを非表示/違反報告)
いとこんにゃく(プロフ) - 壱さん» 感想ありがとうございます！取り合い系大好きなので書いていてすごく楽しかったです。笑バレンタインネタ了解しました！お時間頂くかもしれませんが気長に待っていただけると幸いです🙏🤍 (2023年2月22日 23時) (レス) id: ebebe27350 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いとこんにゃく | 作成日時：2022年6月1日 0時
