吐血パニック / 宝生永夢,鏡飛彩,九条貴利矢,花家大我 ページ11
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あ、まずい
たらりと口から液体がつたう感触。これが吐血だということは病院勤務であるわたしにとって理解するのに1秒もかからない。しかし脳内を埋めつくしたのは吐血したことに対する焦りではなく、CRの人達にこのことがバレてしまった、どうしようというはかり知れない不安だった。
せっかく隠し通してきたのにと垂れてきている血をおさえながらぼんやりと考える。ここ最近夜勤続きの上に沢山の患者が押し寄せてきたから疲れが溜まったのかもしれない。鏡先生のような天才ではないけれどまさか自分1人の不調に気づかないなんて医者としてはショックすぎる。
抑えている手と反対の方の手でポケットからハンカチを探そうとするとパシッとその手を掴まれた。思わずばっと顔を上げる。
「Aさん？ どういう事ですか……？」
蹲っていたせいか宝生くんが近づいてきているのに気づけなかったと内心舌打ちをかます。どうしよう、手を掴まれてしまった。目の前の宝生くんは不安そうな目でこちらを見ていた。
他の人たちもこちらに注目しているのがわかる。鏡先生は読んでいるカルテの手を止めこちらを凝視しており、ポッピーはわたわたと慌てている。九条くんは急いで立ち上がりこちらへと向かっているのが見えた。
あぁ、捕まったのが宝生くんで良かったと胸を撫で下ろす。九条くんの鍛えたからだじゃ抵抗することだってできやしない。
「ごめんね、宝生くん」
「えっ……それってどうゆぅうわぁ！？」
宝生くんの白衣を思い切りこちらへ引っ張り、足を思い切り横へと振る。すると思った通り宝生くんはバランスを崩して大きな音を立てて床へと転がった。彼の手が私の腕から離れたいまがチャンスだ。
「気にしないで！！」
振り返らずに大きな声でCRの部屋を飛び出す。後ろから宝生くんを心配するポッピーの声と「逃げたぞ！」「あいつ……」「Aさん酷いです！！」という呆れや焦りを含んだ言葉の数々が聞こえる。
これは捕まったら面倒なことになりそうだ。
どうにかしてこのおにごっこに私は勝たないといけない。
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いとこんにゃく(プロフ) - ?さん» リクエストありがとうございます！了解しました！ (2023年3月21日 21時) (
レス) id: 7d068b8785 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - どうも､リクエスト失礼します！オーズのウヴァさんでツンデレ〜な感じで宜しければ書いて頂きたいです！ (2023年3月20日 10時) (レス) id: 2395e0c03b (このIDを非表示/違反報告)
いとこんにゃく(プロフ) - 刻卯さん» はじめまして！了解しました！お時間頂くかもしれしれませんが気長にまって頂けると助かります！ (2023年2月26日 18時) (レス) id: ebebe27350 (このIDを非表示/違反報告)
刻卯(プロフ) - はじめまして！リクエスト失礼します。ギーツで甘めのキューンくんを書けたらで構いませんのでお願いします。 (2023年2月26日 17時) (レス) id: e20218d379 (このIDを非表示/違反報告)
いとこんにゃく(プロフ) - 壱さん» 感想ありがとうございます！取り合い系大好きなので書いていてすごく楽しかったです。笑バレンタインネタ了解しました！お時間頂くかもしれませんが気長に待っていただけると幸いです🙏🤍 (2023年2月22日 23時) (レス) id: ebebe27350 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いとこんにゃく | 作成日時：2022年6月1日 0時
