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好きって言われてみた ページ7

「好きです」





隣にいるデンジ君にそう言われ、顔に熱がぶわっと集まる。





『え、それ冗談っしょ?』


デ「ん〜、やっぱそう思うかぁ」





悔しそうに頭を搔く彼に理解が追いつかない。

え?え?

どういうこと??

好きって、あの??





デ「やっぱ無理っすよね〜…」


『あ、あのさ それって普通に私と付き合いたいって事かな?』


デ「それ以外無いっすけど〜?」





私を悲しげに覗いて来る彼はとても愛おしい。

視線がジリジリと感じるから手に汗が滲むのがよく分かる。

ほ、本当にそういう意味の好きだったんだ……





デ「俺の事嫌いっすか?」


『嫌いではないけど……っどちらかと言うと好きって感じ??』





………嘘、何強がってんの私!!!!

そこは大好きって言いなさいよ!!!

読み取れない彼の表情で余計汗が吹き出る。





デ「それもう両思いじゃね?」


『あっ そう、かもしれません……』


デ「Aさん、俺とチューしねぇ?」





間抜けな声を出している間に手の上に手を軽く添えられた。

大きくてゴツゴツした手のひらにドキッとしてしまう。

彼ってこんな積極的に来るタイプだったっけ。


突如ゆっくりと近づいてくる彼に反射的に体が後退りをする。

座っているから距離を取れず、とうとう転げそうな程体を反っていた。



あっ、これキスしちゃうやつ??

もういっその事委ねちゃおうかな。

そう、目を閉じた。










デ「な〜んて。」


『…???』


デ「俺と付き合いたい訳でもないのにすみません!いきなり怖かったっすよね」


『あっ、いや……』


デ「でも俺本気っすから」





さっきよりも声が低いその言葉が頭に焼き付く。

デンジ君と両思いな事実が未だ信じられない。


返事に困っていると、彼がその場から立ち上がろうとしたので無意識で袖を掴んでしまう。

慌てて離そうとするも時すでに遅し……





デ「ど、どうしたんすか?」





まさか止められるとは思わなかったのか戸惑っている声色と真っ赤な顔。





『チュー、してくれないの…?』





自分でも聞き取りずらい声量で言ったのに、彼にはしっかり聞こえていたようだった。

恥ずかしさで袖を掴んでいた手を離した時、パッと手を取られる。





デ「へへっ、やっぱり両思いだった」





幸せそうなその笑顔を見つめて、もう一度目を閉じた。


.

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作者名:さくれ | 作成日時:2022年12月2日 17時

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