us【短編集】ss

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……。

｢…俺の前では泣いてええんやで｣

｢無理せんでええよ」

｢…どんな君でも好きやから」

『…え』

言うつもりじゃなかった。

お互い恋人がいた時期もあったし。

沢山喧嘩もしたし。

それでも隣に居たから。

ずっと隣で笑ってくれたから。

「…どんな所も、俺は全部好きやから」

「だから付き合ってくれませんか」

『…なんで私？』

「初恋やったから。それ以外理由いらんやろ？」

『なっ！は、初めて聞いたんやけど！』

「初めて言ったからな」

本当は言わんつもりやったけど。

お前の魅力もわからんような奴に譲るんも阿呆らしいし。

それやったら俺が貰ってもええやろ。

「で、どうするん？」

『どうするって？』

「だーかーら！付き合ってくれるん？」

『んー、ふふ、せやね仕方ないから付き合ってあげるわ』

「なんやねん仕方ないってー！」

『…黙っとったんわお互いさまやもんね』

「え、なに、え！？もしかして俺ら両思いやったん！！？」

『もー、ほんま坂田くんうるさいわぁ』

「なんで言ってくれんかったん！」

『もう、うるさいうるさい。静かにしてやぁ』

「あっ、照れてるやろ！」

『照れとらんし！』

「そういうことにしといたるわ」







、






、






、






『ねぇ、坂田くん』

「ん？なぁに」

『…好きやで』

「俺はね………」







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『思えば思わるる』
こちらが相手のことを思っていると、また相手もこちらのことを思ってくれるようになる。つまり人を好きになって真剣にその人のことをずっと思っていれば、またその人も自分が思われている事を感じとり、それに応えてくれるようになることをいう。

しあわせのバームクーヘン前編→←君を思いて思わるる

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