飴玉が7個目 ページ10
長いトンネルから出ると、雲一つない青い空の下で稲が沢山植えられている田んぼが目の前に広がっていた。田んぼの向こうには家らしき建物がいくつか建てていた。
「なんか凄いな、この村は。自然に囲まれている…」
「そうだね〜〜。あとあそこの水路も相変わらず綺麗だねー」
「そうだな。
…………相変わらず？院瀬見はこの村に来たことがあるのか？」
うっかりと忘れてしまった。水木にはまだこの村のことを伝えていない。俺もまだ言葉選びが完璧に習得した訳ではない。何とか誤魔化さなければ。
「え、んーとね。この村と昔住んでた村の光景が重なっちゃって、思わず口から出ちゃったー」
「院瀬見が住んでた村もこんな感じだったのか。今度、院瀬見の住んでた村に訪れても……
……………ん？あの人は」
「なになに？知り合い？？」
水木は指を指して、院瀬見もそれを釣られて見ると喪中らしき黒の着物を着ている女の人が足元を見て何か困っているようだった。
よくよく見てみると、あれは妹の沙代だった。
「いや、そうではないが。この前の龍賀家の写真を見せてもらったことがあるんだ。確か社長と奥さんの娘だろう。」
「ふーん。んで、水木はどうせ猫被りでは見捨てられないだろーから助けるんでしょ〜〜？」
「元からそのつもりだ。」
沙代の所へと駆け寄り、水木はその近くの木に持っていた鞄を置いて沙代と会話していた。どうやら沙代は下駄の鼻緒が切れたらしく歩けない状況になったようで困っていた。水木が下駄の鼻緒を直すためにハンカチを取り出して作業していた。
その間に置き去りされた俺はこの村の嫌な光景を振り返りながらゆっくりと歩き始めた。沙代の方へと目をやると、頬が赤くなっていた。
何だろう。なんか気に食わない。妹と会うのが気まずいからなのか、それともそうじゃないからなのかよく分からなかった。でも何より、
水木が他の異性と関わるのが1番気に食わなかった。
院瀬見は頬を膨らんで、さっきまでゆっくりだった速度が急上昇して早歩きをした。
沙代は水木の後ろに俺がいることに気付いた。
「あの、水木様。そちらの方は？」
「あぁ、彼は……」
俺は水木の肩に手を回って、水木の体を俺に寄せるようにした。
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眠吐(プロフ) - そばがきさん» そばがきさん、コメントありがとうございます！！凄く励みになります〜！！受験終わったら更新沢山出来ると思うので、楽しみにしててください〜！！🙌🙌 (1月21日 8時) (
レス) id: e1cef63b45 (このIDを非表示/違反報告)
そばがき - めちゃくちゃ面白いです！！毎回更新楽しみにさせてもらってます、これからもがんばってください、応援してます！！ (1月20日 22時) (レス) @page17 id: 5fd22facb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠吐 | 作成日時：2024年1月15日 14時
