飴玉が5個目 水木side ページ6
俺と院瀬見は隣に並び合った席を見てみると、そこに銀髪で青色の着物を着た男性が座っていた。
髪の色が目立った男性が隣に居たっけ?と疑問が浮かべた。いつから怪しげを漂う男性が座っていたことに2人は全く気付かなかった。
着物を着た男性は水木と院瀬見に視線を移した。
「お主、死相が出ておるぞ。この先に地獄が待っておる。
わしには見える。
見えないものが見えるのじゃ。」
死相?地獄?見えないものが見える??
急に爺さんが可笑しなことを言ってきたのか、理解するのに時間がかかった。
しかし、院瀬見はこの爺さんの言ってる意味が分からないのか口出しをしてきた。
「え、何この人??なんかよくわかんないけど痛いよ??ってか誰が死相出てるの????」
…………院瀬見は会社に就いた頃、部長や初対面の人たちに向かって【暴言のため伏せます】を言ったことがあった。つまり、院瀬見は礼儀を知らないことを思い出した。
「ちょ、院瀬見お前!!初対面の人に対して色々と失礼だぞ!!」
「えー、でもこの人もだって失礼じゃぁ……
「はいはい、院瀬見ちょっと黙ってくれ…………
あと何を寝ぼけたこと言ってんだ爺さん」
「……………………見えるのじゃ。お主の後ろに大勢の霊が憑いておるぞ」
俺は反射的で近くの窓を見た。しかし、既に列車の中は元通りに電気がついていて明るかった。
……さっきの爺さんは一体何だったんだろうか。
窓を呆然と眺めていると俺が持っていたマッチの棒がいつの間にか短くなって、火傷してもおかしくない距離だった。急に熱さが感じ、マッチを床に落とした。
「あちっ、」
「わ、水木大丈夫?」
「あ、あぁ…………」
そういえば院瀬見もさっきの幻覚を見たのか?
俺は気になって院瀬見に聞いた。
「なぁ、院瀬見。さっきの、……銀髪の爺さん見たか?」
「え?うん、バッチリこの目で見た」
「……………………幻覚だと良いがな」
「俺は別にどっちでも良いかなー」
水木はさっきの男性の言葉を思い返した。死相。地獄。見えないものが見える。そして見た窓から俺の背後には大勢の霊がいること。
大勢の霊とは何なのか心当たりはあるが、出来ることなら思い出したくない。
頭の中でいっぱいな水木の反対に院瀬見は窓を見つめていた。院瀬見の目に映る世界はどんなものなのか、水木はまだ知る由もなかった。
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眠吐(プロフ) - そばがきさん» そばがきさん、コメントありがとうございます!!凄く励みになります〜!!受験終わったら更新沢山出来ると思うので、楽しみにしててください〜!!🙌🙌 (1月21日 8時) (レス) id: e1cef63b45 (このIDを非表示/違反報告)
そばがき - めちゃくちゃ面白いです!!毎回更新楽しみにさせてもらってます、これからもがんばってください、応援してます!! (1月20日 22時) (レス) @page17 id: 5fd22facb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眠吐 | 作成日時:2024年1月15日 14時