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飴玉が3個目  ページ4

それから俺は水木と哭倉村へ行くため、夜行列車に乗り込んだ。水木は空いてる席を見つけて、そこに座った。その向かい合いの席があったので俺もそこに座ることにした。


周りを見てみると、床にゴミが散らかっていたり、乗客が煙草を吸っているせいで職場と似たような光景、咳き込んでいる人。列車の環境が整っていない最悪な状態とでもいえるだろう。


呑気に飴ちゃんを食って思ったことを言った。




「鉄道会社ももう少しまともな仕事できないの?環境管理とか〜。なんか酷くて逆に凄い笑っちゃう」

「鉄道は斜陽の時代なんだ、きっと苦労してんだよ」




水木も俺と同じように周りを見渡した。


斜陽か。正直言うと斜陽なんて言葉も意味も知らない。俺は世の中に知らないことがいっぱいある。だけど今から全部知ろうとする必要がない。水木が色々と教えてくれるから、それはそれでAにとって良いことだった。




「ほーん。まぁ俺らの会社は安定してるから、他所の会社なんか気にすることはないかー」

「自分が作り上げた会社みたいに言うなよ……」

「あははっ、雑談はさて置き。


あのクソハゲから何の依頼で哭倉村に行くの?都会人が急に村に行けとか珍しーんだけど。」

「実は先日社長の家の当主が無くなったらしく、龍賀家に訪れるついでに龍賀一族が作っている血液製剤のМの生産場所を突き止めてくれ、だそうだ。」




龍賀家。その話を聞くだけで、吐きそうになった。そういえば社長の名前が龍賀克典だったっけ。あーあ、やだな。







過去に俺を虐待してた家族の家に訪れるなんて。



今すぐこのことを言っても良いのだろうか。でも、水木はきっと出世の機会だと思って頑張ってるし言えない。何より、水木を騙しているように感じてて何だか苦しい。


このままずっと黙ってても良いのか?


あんまり深く考えちゃ駄目、何か話題切り替えらないと。








「そういや血液製剤のМって何?」

「は?……はぁ、院瀬見。お前な……


血液製剤のМっていうのはな、何日も飲まず食わずで生きれる薬だ」

「いやぁ、だって世の中に出てるものが全部興味ないんだよね〜〜


俺にはこの飴ちゃんがあればあとはどうでも良いし」




俺は持ってきた肩掛けがま口を開けると大量の飴ちゃんが入っていた。水木がそれを見ると




「まじかよ院瀬見…


ってかお前の手荷物はこれしかないのか???!」

「うん?だって持ってくものがこれ無かったから」

「阿呆かお前は!!!!」

飴玉が4個目 水木side→←飴玉が2個目



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眠吐(プロフ) - そばがきさん» そばがきさん、コメントありがとうございます!!凄く励みになります〜!!受験終わったら更新沢山出来ると思うので、楽しみにしててください〜!!🙌🙌 (1月21日 8時) (レス) id: e1cef63b45 (このIDを非表示/違反報告)
そばがき - めちゃくちゃ面白いです!!毎回更新楽しみにさせてもらってます、これからもがんばってください、応援してます!! (1月20日 22時) (レス) @page17 id: 5fd22facb9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:眠吐 | 作成日時:2024年1月15日 14時

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