飴玉が2個目 ページ3
時には昭和31年。高度経済成長期の頃。
帝国血液銀行という会社の職場で煙草の火から出てきた煙が上に見えなくもないくらい煙が立ち上がっている中、長髪をポニテで縛ったサラリーマン、院瀬見Aは好物の棒付き飴を舐めて書類とにらめっこをしていた。
働く気力がないのか、割とだらしていた。
「はぁ〜〜〜〜…だっる…。何でこんな細かい作業までやんなきゃいけねーんだ。これだから本当に仕事が嫌なんだよぉ……あのクソハゲ部長め……
でも水木が頑張って仕事先を見つけてくれたから辞退する気はサラサラ無いもん、うん。」
1人で愚痴をこぼした。しかも職場で。その場で聞いてる人たちはAがクビされるという危機感を感じているが、誰も彼に注意することもできない。
彼は血液銀行の中で1番有能だ。社長から出世の話を提案されていたが、水木という男を置いていけないとの理由で昇格の話を断った。普通、皆は喜んで昇格するのにそんな中でAはキッパリと断るのはとんでもない話だ。
それに彼は気分屋のため、物事によって気分が上がったり下がったりする。最低静かに大袈裟ではない程度キレたりする。
そんな彼を犬のように上手く飼い慣らせる者はここに居ない。……いや、1人いた。
「院瀬見、悪い。部長との会話を短く済ませると言ったのに長引いた。」
「ん？あー、水木〜〜。全然気にしてないから大丈夫だよ〜〜。」
部長室から出てきた水木のお陰で、Aが先程愚痴った嫌悪な空気は消え去った。職場の人は心の中で水木にナイスと言ってることを知らず、Aは会話を続いた。
「所で水木、部長から呼び出しを喰らったみたいだけど何の会話してた？凄い気合い入ってるけど」
「これは機密情報みたいなもんだからあんまり言わねぇけど、俺は明日から3日くらい職場に来ないから。
なんつーか部長からの密令だ。出世できる機会だから喜んで受けた。」
「ﾜｧ､出たよ出世の欲。……ん？3日ここに来ないの？？水木だけ？？」
「…あ、そうだったな言うの忘れた。部長がついでにお前も連れてけ、だそうだ」
「え、本当？やった〜〜」
「あくまで言うが、3日間も仕事だからな？」
「はい、分かった。」
ピシッと敬礼するAに水木は笑って頭を撫で、２人は定期で帰る準備をして会社から出た。
一方、その場に居た職場の人は…。
「水木さん神っすね」
「俺達あんなの出来ねーよ」
「今度高級菓子でも貢ごう」
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眠吐(プロフ) - そばがきさん» そばがきさん、コメントありがとうございます！！凄く励みになります〜！！受験終わったら更新沢山出来ると思うので、楽しみにしててください〜！！🙌🙌 (1月21日 8時) (
レス) id: e1cef63b45 (このIDを非表示/違反報告)
そばがき - めちゃくちゃ面白いです！！毎回更新楽しみにさせてもらってます、これからもがんばってください、応援してます！！ (1月20日 22時) (レス) @page17 id: 5fd22facb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠吐 | 作成日時：2024年1月15日 14時
