飴玉が14個目 水木side ページ17
あのあと、院瀬見に礼を言うために俺は探した。
彼は気まぐれなのか、どこにも姿がなかった。見かけた時でいいかと諦めかけた。その時、後ろから声を掛けられた。
「運が良かったね、アンタ。俺のお陰で殴られずに済んだでしょ」
上からの目線で少しは腹が立った。振り返ると、院瀬見は体を丸くしてしゃがんでいた。人を心配するの慣れてなかったのか、そっぽを向いていた。
「……その、ありがとうな」
「……別に俺は気分で助けただけ。仲間だからとかじゃないし。」
上手く素直に受け止めきれない彼を見て、今までの院瀬見の印象が大きく変わった。
なんだ、院瀬見だって良い所があるじゃないか。
それから俺自身から院瀬見と関わるようになったが、院瀬見は最初から警戒心を張っていたのか手が焼くほどかなり時間がかかった。
やっと院瀬見の警戒心が解けて院瀬見から関わってくることも増えた。
そして、いつの間にか俺は院瀬見に恋心を抱くようになった。
本音を言えば、俺は院瀬見とは情人関係になりたい。今、この気持ちを伝えたら院瀬見はどんな反応をするのか気になる。
もし伝えることが出来たらそれは簡単なのに、伝おうと思っても言葉が詰まってしまう。反射的で情人関係じゃないと否定してしまう。
今まで情人を作ったことは一度もなかったせいで、多分怖いのかもしれない。
「おーい、水木。どしたのー？」
俺の名前を呼ぶ院瀬見のことを愛しく思える。早く俺だけのものにしたい。誰にも取られたくない。他の誰かが俺の知らない所を知ってほしくない。
「…なんとなく考え事をしてただけだ」
もし、俺が。
院瀬見を俺だけのものにしたいって、許してくれるなら。
一度だけで良いから院瀬見にこの気持ちを打ち明けたい。
俺は下を向いて、そっと目を瞑った。
「明日の朝は早いだろうから、早く寝ようか」
「分かったー。じゃ、おやすみ〜〜」
院瀬見は布団の中に入って寝たことを確認すると、起こさないように静かにそっと院瀬見の髪を触った。
「………好きだ、俺の気持ちに気付いてくれよA。」
目の前に寝ている想い人に聞こえないはずの言葉を呟いた。
俺はいつものように想いを密かに抱えたまま、今夜も深くまで眠りに落ちた。
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眠吐(プロフ) - そばがきさん» そばがきさん、コメントありがとうございます！！凄く励みになります〜！！受験終わったら更新沢山出来ると思うので、楽しみにしててください〜！！🙌🙌 (1月21日 8時) (
レス) id: e1cef63b45 (このIDを非表示/違反報告)
そばがき - めちゃくちゃ面白いです！！毎回更新楽しみにさせてもらってます、これからもがんばってください、応援してます！！ (1月20日 22時) (レス) @page17 id: 5fd22facb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠吐 | 作成日時：2024年1月15日 14時
