飴玉が12個目 ページ15
「あ!!さっきのおじさんたちだー!!」
「あ、水木様に院瀬見様。さっきはありがとうございました。」
そして、時弥は龍賀家の三女であり母親の庚子の所に沙代は乙米の所へとそれぞれ座った。
乙米はどうして沙代が礼を言ったのか聞いてる最中。水木が院瀬見の腕を突付かれた。他の人に耳が届くか届かないかくらいに声を落とした。
「んー?どしたの水木」
「院瀬見、いい加減に礼儀を学べよ…」
「やだ、俺は上の人を敬うの嫌い」
「だとしても、このままで沙代さんたちが来なかったら追い出されるどころか部長からの密命は失敗して終了するところだったんだぞ…」
あ、そっか。俺たちは血液製剤のМの生産居場所を突き止めに来たんだっけ。バレそうでバレないの心配してたけど、本来はそっちの目的だということを完全に忘れてしまった。
でも母まで俺の顔を見ても忘れてるっぽいからまぁいっか。バレてないし。
とにかく両方とも頑張らないと。できることなら、俺が兄だということをバレる前に早く場所を把握して帰りたいくらいだ。
「それにしても何でこんなに人が多いんだ…?」
「当主の跡継ぎとか遺産目当てじゃないー?よく分かんないけど」
「あぁ、なるほどな…」
院瀬見の考えで大勢の人がいる理由を水木は納得した。
俺たちが会話していると、また襖を開く音がした。入ってきたのは龍賀家の長男、時磨だった。変な化粧だなと思いながら眺めていると、克典が口を開いた。
「お前、先祖様から遺言書を預けてきたんだろ?読んでくれるか。」
「はい、分かりました。」
水木の隣にいる老人が返事した。ジジイからの遺言を聞きたくもないし聞き流そうとしたら、妙に引っかかることが1個耳に入った。
長田家の時弥を龍賀家の養子として、時弥が成人の年になるまでは次期当主にする。
龍賀家の三女である庚子は長田家へ嫁入りしていた気がするし、長田家は関わりがあると納得できる。よりによって何で子供の時弥を龍賀家の養子として当主にさせるのか、分からなくて混乱しそうだ。
思い悩んでいると、急に水木が手を引かれた。水木の謎の行動に騒がしい方を見ると、克典も混ざって大勢の男性たちが何かを争っていた。
克典が「それは偽物だ!!」と叫んでいた。遺言書のことで争っているのか。
情けない父を見て、密かに口角を上げた。
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眠吐(プロフ) - そばがきさん» そばがきさん、コメントありがとうございます!!凄く励みになります〜!!受験終わったら更新沢山出来ると思うので、楽しみにしててください〜!!🙌🙌 (1月21日 8時) (レス) id: e1cef63b45 (このIDを非表示/違反報告)
そばがき - めちゃくちゃ面白いです!!毎回更新楽しみにさせてもらってます、これからもがんばってください、応援してます!! (1月20日 22時) (レス) @page17 id: 5fd22facb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眠吐 | 作成日時:2024年1月15日 14時