一話 幼児と一緒 ページ2
『………………』
ニコニコとした屈託の無い笑顔でこちらを見てくる。
……何故こんな事になったんだろうか。
「……ただいま」
いつも通り、練習が終わり帰宅する。
「おかえり!!京治!!」
いつも通り、母さんがニコニコしながら出迎えてくれる。
いつも通り、幼児が……って……あれ
「誰?!その男の子!?」
驚きの余り声を荒らげる。
目の前にはニコニコと笑いながらこちらを見る黒髪赤目の男の子。
……いやおかしいだろ……
母さんは妙に真剣そうに言う。
「…京治、あなたに弟ができました。」
……え?
「いやいやいやないでしょ……」
いやいやいや第一妊娠した時明らかに解るし出産とかする素振りなかったしつかその子小学生くらいだし……
俺は自分を落ち着かせようと深呼吸し、言う。
「……本当は??」
「義妹ちゃんから預かりました♡」
……うちの母さんは大丈夫なんだろうか。
嘘だとしても思春期の、それも健全な男子高校生に「弟ができた」はダメでしょ……
「…ていうか、叔母さんどうしたの?」
最近結婚したとか言ってたが……急にどうしたのだろうか。
母さんは言いにくそうに言う。
「……ちょっとね、……入院してるから預かってって言われたの」
…………なんだか踏み込んではいけないような気がする。
俺が居ずらそうにすると母さんは先程の悲しい顔を見せないような笑顔を浮かべ、言った。
「じゃ今から仕事行くからあとヨロシク♡」
「あっ、いってらっしゃい」
ついいつもの様子で見送ってしまう。
靴を脱ぎ、部屋に入った時目線を感じ後を見る。
……そこには不思議そうな顔でこちらを見る小さな……男の子が居た。
そうだ……この子が居たんだ……
俺は膝を曲げなるべく優しく言う。
「……名前は??」
男の子はニコニコしながら言う。
『あかあしA7さい小学生バレークラブ所ぞく身長115cm体重,21kg最高到達点156cm。好きなものはごま大福嫌いなものは特に無い』
……小さい子とは思えない速さで自己紹介をしていく。ちなみに終始笑顔。
「……Aくん……だね。俺は赤葦京治。…お兄ちゃんって呼んでね」
『けいじ!!』
「……お兄ちゃん」
『けいじ!!』
「……」
「けいじ」
……この先大丈夫なんだろうか
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MiSo(プロフ) - 続き楽しみです!!無理しないで更新頑張ってください!!応援しています!! (2020年7月6日 21時) (レス) id: 78c105b37d (このIDを非表示/違反報告)
推しが違う?よろしい。ならばクリーク【ミノ】(プロフ) - 由瑞さん» (今はこちらが本垢です)ありがとうございます……!恐縮でございます……更新頑張ります!御観覧ありがとうございました! (2020年6月8日 0時) (レス) id: daeb2ba83b (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 凄く面白かったです。更新頑張ってください! (2020年6月7日 23時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:里菜 x他1人 | 作成日時:2020年4月29日 22時