しにたがり姫 2

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悟「はっきり言うと、解呪の方法はない。」

『…っ』





たかが数年だが呪術の勉強をしている以上ある程度理解できる

呪いはかけた者とかけられた者に解呪の意思がなければ解けない
前者が死んだ今も続く呪いなど正攻な解呪の方法はまずない

だから悟もわざわざ加茂家まで足を運んだのだろう



分かっていたことだが実際に言われるとかなり言葉が響く






悟「でもAは死なせない。僕が呪いを上書きする。」

『！』



家「上書き？」






呪いの上書きなど聞いたことがない
呪われたものに変に手を加えると何が起こるか分からない
呪術師なら子供でも知っている常識だ






悟「より強い呪いをかけて古い呪いを消滅させる。上手くいくかは分からないけど、駄目だったらもう加茂家皆殺ししかないよね。」


家「うーん…。…最悪、Aを殺すことになるぞ？」






悟「そしたら僕も死ぬよ。良いよね、A。」

『…。』






悟「あの世で一緒になろう。誰にも邪魔されない場所で、もっと一緒に過ごそう。」


『…うん。』






あの世なんてものがあるのかは分からないけれど、
悟が本当にそれを望んでいるのなら
私に断る理由なんてない

その言葉だけでいい
これ以上に幸せなことはない


でもたぶん、
本当にその時になったら私も我が子を守ったあの人のように
貴方が死なないように手を尽くすよ

貴方はもしかしたら裏切られたと感じるかもしれないけど
憎まれても嫌われてもいい

悟には生きていて欲しい





平気で笑って頷き、手を握る、

最後まで嘘つきな私を許してほしい

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