しにたがり姫 (ページ9)

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周辺の気候は真冬のように、屋敷は氷に覆われ

集まった呪術師の3割は数秒足らずで氷漬けにされた

先ほどの呪霊は庭の端まで逃げたところを足元を凍らされ動けなくなっている

狼狽える獲物たちを無情に眺める琥珀色の瞳は

不謹慎だが魅入るほど魅力的だった

伊「五条さん！何とかしないと！」

悟「嫌だよ。皆殺しという点では僕も同意見だ。」

凍りかけていた伊地知を抱えて屋根の上に避難したまま様子を観察する

あわよくば全員がくたばることを期待して

悟「あの子、記録が正確なら12歳だよ。少し大人びてるけど、まだ子どもだ。」

小さな体から溢れる膨大な呪力を見定めながら次の手を考える

近づけば自分も凍らされかねない

しかし術式を使えば傷付けてしまうかもしれない

下の呪術師たちが武具を放ったり、式を送ったりしているが

まるで歯が立ってない

禪院の当主が痺れを切らす前に何か手を打たなければ

悟「ん、行くしかないか。」

恐らく何らかの呪霊が受肉して表に出てきているのだろう

少しでも気を引いて抑え込まれたあの子の意識を引っ張ってくる必要がある

伊「は、祓うんですか？」

悟「もし俺が死んだらそのまま冷凍保存しといてね。来世でも使うから。」

伊「はあ！？」

眼鏡を押さえながら驚く伊地知を置いて屋根から少女の元へ飛び降りる

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――ｶﾞﾊﾞｯ――

悟「さっむ！！！」

『「っなんだ貴様！？」』