25 ページ38
:
家「…で、会わす顔がなくてこんなところに逃げてきたのか?1人にして。着替えだけ置いて。おまけに昨晩は連れて帰ったと思ったら追いつめて泣かせて無理矢理キスして1人で寝かせた。お前…、生きてる価値あるのか?」
悟「だよね。僕もそう思う。もういっそこのまま
解剖室の台の上で抜け殻のように横たわりながら
家入に昨日の出来事を全て説明する五条
仕事の手を止めるほど呆れ果てた家入の罵倒も甘んじて受け入れ
大きな大きなため息を吐く
いつもなら自尊心と自己中心の塊のような男が罪悪感で死にかけている姿に
少しの面白さも感じるが今回ばかりは粗大ごみにしか見えない
家「……正直、お前のAへの執着は、行き過ぎた親心のようなものだと思っていた。」
一通り貶し終え、コーヒーで一息つきながら話題を戻す
悟「僕もだよ。あんなに可愛い天使にこんな醜い感情抱くなんて、……犯罪者の気分だ。」
家「気分じゃない。15歳を押し倒して唇を奪うのは立派な犯罪行為だ。」
悟「…、本当だ…。最低だ。」
家「で、どうするんだこれから。」
最も重要な本題に入ると暫く黙って考え込む五条
サングラスからのぞく瞳はいつになく真剣で焦りさえ感じる
さすがにこれ以上馬鹿な真似はしないだろうが
数々の非行を重ねたこいつに信用の余地はない
悟「…今までと変わらないよ。大事にする。」
家「どうやって?」
悟「分かんねえよ。だからお前に聞いてんの。」
家「…。手軽な女でも抱いてみたらどうだ?気休め程度にはなるだろ。」
悟「そんなことした汚い手じゃ、ますますAに触れなくなる。」
家「いいんじゃないか?少し距離を取れ。なんなら私が面倒を見よう。私もあの子が可愛い。」
まだ何にも心を開かず、許さず、全てに怯えながら
ただ必死に悟の後を付いて回っていた頃から世話を焼いてきた
12歳にしては小柄で小さかったあの子ももう立派に1人で歩けるようになっている
昔を懐かしむように最後の一口を飲み干すと
目の前で座っている男から妙に殺気のような気配が飛んできた
悟「僕があの子を手放すなんて、絶対にありえないから。」
家「……だろうな。」
874人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
駒田針 - こういう小説は胸がキューってなって苦しい (2020年11月16日 19時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
雪狐 - え…好き… (2020年3月25日 7時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
ただの学生(プロフ) - お話すごく続きが楽しみです! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 24be68ee0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:縞 x他1人 | 作成日時:2020年3月13日 21時