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僕は性格が悪い
上司や先輩は敬わないし、後輩も可愛がったりしない

力があるから呪霊を祓うだけで
関係ない他人が殺されるのもあまり関心がない





教師になってからは生徒のことを思うようになったが

それも所詮自分の夢を叶えるためなのかもしれない









学生のころから硝子に人でなしだと言われ続けてきたが

自分でもそうだと思う






人との付き合いに不真面目でだらしなくて




女との付き合いなんて面倒なものに没頭するのもアホらしい


優しい態度も甘いセリフも
手っ取り早く体を開いてもらうためのものでしかなかった









だからここ数年の僕はおかしい。




突然12歳の女の子を引き取って、一緒に住むなんて言い出して、
厄介な連中に奪われないよう大事に大事に囲って、守って、
何とか笑って欲しくてあの手この手で気を引いて、

なにからも傷付かないよう3年以上も守り続けてきた






だからAを失ったときは
彼女が望まないことをしてでも手放したくなかったし

出会う前の僕に戻るが怖くて堪らなかった



冷たく動かない体を誰にも触らせたくなくて

見つからないよう部屋を移して結界まで張った






またAの声が聴けて、
頬に触れたら暖かくて、

呼べば振り返り目が合うこと、
手を握れば握り返すこと1つ1つが愛しくて堪らなかった








なのに今は自分の気持ちもコントロールできない









たかがキスひとつ

気持ちなんかない事故みたいなもの






分かっていても受け流せず目の前のAに当たってしまう






怯えて小さくなった姿が可愛くて堪らない



何よりも大切にしたいのに
もう誰にも触れられないようどこかへ閉じ込めてしまいたい





涙を溜めながら嫌いにならないでと縋る君を見て
どこか満たされていく僕がいる



怖さに耐えながら、
怯えるのを隠しながら、僕の手にすり寄る君が愛おしくて
どうにかなってしまいそう








僕は性格が悪い









ごめんね、A



もう君を手放せそうにない




























悟「僕がお前を嫌いになるわけがない。…ねえ、A?」


『…っ〜』






僕の服を掴んだ手を解き指を絡め

大きな瞳に零れそうなくらい溜めた涙を拭う









悟「…誰にもあげない。絶対に。もう僕のものだから。」






精一杯、優しく、大切に

初めてを取り返すように何度も口付けをした

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駒田針 - こういう小説は胸がキューってなって苦しい (2020年11月16日 19時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
雪狐 - え…好き… (2020年3月25日 7時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
ただの学生(プロフ) - お話すごく続きが楽しみです! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 24be68ee0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2020年3月13日 21時

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