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悟「…。A?」




無機質な台の上に裸のまま薄い布1枚だけをかけられ横たわる少女に声をかける

決して口数は多くなかったが話しかければちゃんと開いて
返事をした薄い唇が動くことはなく

季節など関係なく常に冷え性で真っ白な体はさらに冷たい

時折琥珀色に輝く色素の薄い瞳は瞼が閉じられ見せてはくれない









悟「A。」



何度名前を呼んでも
手に、頬に、髪に優しく触れても彼女が目を覚ますことはない




出張先で任務を終えたところで伊地知から連絡が入った

ひとつも簡単には飲み込めない内容に
苛立ちと無力感でおかしくなりそうな自分を抑えながら
最短で高専の医務室兼遺体安置室へ向かった









どこかでまだ会えると望みがあった

助けられる手段が0ではないと




だが到着して
初めて見せる硝子の表情を見た瞬間全てが消えてなくなった









こんなことなら、




出張など断ればよかった




強引にでも入学なんてさせなければ、

上の連中など早く始末しておけばよかった





























呪術界最強と持て囃され



この子1人くらい

何者からも守れると思っていた




世界に、運命に絶望し、生きることを望まなくなったA

それでも僕の傍で生きて居て欲しかった




いつかは 生きたい と、言えるようにしてあげたかった









家「もうすぐ虎杖も運ばれてくる。」







一言だけ言い残し

禁煙中だったはずの硝子は煙草の箱を持ったまま部屋を出ていった









誰もいなくなりAと2人だけになった冷たい空間で

目隠しを外し、少し涙の痕が残った瞳にそっと口付ける







































悟「ねぇA?呪いでもいいからさ。俺のそばに居てよ。」



『 』









悟「こんなにお前でいっぱいなのに、Aがいない世界で1人ぼっちで生きていかせるつもり?」






投げかけても
願った言葉は帰ってくることもなく

発するたびに自分を蝕んでいく







悟「ほんとに。愛ほど歪んだ呪いなんてないよね。」

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駒田針 - こういう小説は胸がキューってなって苦しい (2020年11月16日 19時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
雪狐 - え…好き… (2020年3月25日 7時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
ただの学生(プロフ) - お話すごく続きが楽しみです! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 24be68ee0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2020年3月13日 21時

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