しにたがり姫 (ページ21)

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虎「五条先生は？」

伏「出張中。そもそも高専でプラプラしてていい人材じゃないんだよ。」

伊「今回は緊急事態で異常事態です。”絶対に戦わないこと”。特級と会敵した場合の選択肢は逃げるか死ぬかです。君たちの任務はあくまで生存者の確認と救出であることを忘れずに。」

伊地知さんの脅しともとれる任務の詳細伝達を聞き

特級という言葉と異常な雰囲気に
いつになく緊張感で気圧される

伏「ここから分かんねえか？」

『うん。さっきから探してるけど建物自体が呪力で覆われてて見えない。行くなら早い方がいいよ。』

伊「帳を下ろします。お気をつけて。」

一体が夜に包まれ結界が張られる

言いようのない不気味さと違和感を感じながら中へと足を進めると
中は2階建ての寮とは思えない広さと複雑に絡まった管で埋め尽くされていた

『領域展開？広すぎない？』

伏「扉は！？」

虎「ドアがなくなってる！」

釘「なんで！？今ここから入って来たわよね！？」

後ろは塞がれ前にしか進めない状況に焦って踊りだす2人
緊張感があるのかないのか分からない

なんとか打開しようと辺りを見渡すが
呪力が充満しすぎて靄がかかった様に何も見えない
これでは呪霊が近づいて来ても気付けない

手の打ちようがなく玉犬に付いて先に進むと

3人の人間の死体が無惨に転がされていた

特級かそれ以外の呪霊か
もうすぐそこまで迫っているかもしれない

先ほどより呪力の靄も強くなっている

『恵！玉犬を…―ッ！？』

生存者の捜索は中止しすぐに外へ出るよう声をかけようとすると
突然足元から飲み込まれる

釘「A！…ッ！！」

同じものが野薔薇の足元にも現われ2人とも地面へ吸い込まれる

虎「釘…﨑？」
伏「A！」