プロローグ ページ2
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小さなころから自分が普通でないことは何となく分かっていた。
赤ちゃんの時から右耳には不釣り合いなピアス
たまに見かける人でも動物でもない”何か”
何かある度に怯えて悲しそうに心配する両親も
気付かないふりをすると安堵したように穏やかになった。
何を見ても、何を聞いても、何をされても、
怖くても、悲しくても、
気付かないふりをしていれば普通でいられると思っていた。
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「わざわざ足を運んだというのに、両親はただの非術師じゃないか。」
「申し訳ございません。なにせ現代まで呪術師の目をかいくぐってきた生き残りでしたので。」
「もう千年以上経つのだ。宿儺の血など引いたところで呪力は蝿頭にも劣る。」
何が起こったか分からない
真昼間が突然夜に変わり
ふり返ると後ろにいたはずの両親は人と化け物に取り囲まれ
引き返すことも出来ず捕えられる
頭には袋を被され手足は縛られ
どこかへ運ばれるのが分かる
両親の叫び声と耳を塞ぎたくなるような音だけが聞こえる
「だが”コレ”は良い。すばらしい呪力だ。」
「そのピアス、呪具ですかね。」
「ああ。等級も高いだろうが、もう力を抑えられなくなったのだろう。今にも壊れそうだ。」
「どうするのです。秘匿処刑の命令が出ておりましたが、」
「のちにバレても姉妹がいたとでも適当にはぐらかせばよい。コレはこの場で殺したと報告しておけ。宿儺の力を宿す器を手放すのは惜しい。」
「かしこまりました。」
「手始めに受肉でもさせるか。丁度良い呪物があったな。」
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駒田針 - こういう小説は胸がキューってなって苦しい (2020年11月16日 19時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
雪狐 - え…好き… (2020年3月25日 7時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
ただの学生(プロフ) - お話すごく続きが楽しみです! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 24be68ee0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縞 x他1人 | 作成日時:2020年3月13日 21時