Cheri【アイナナ】 (ページ44)

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第42話ページ44

リビングのドアを開けると中には三月さんと陸さんがソファに座ってテレビを見ていた。

陸「あ、悠人おかえりー！」

三「お、出たか。湯加減大丈夫だったか？」

「はい！とっても気持ちよかったです。」

三「そりゃあ良かった。悠人も出てきたしオレも風呂入ってくっかなぁ。」

三月さんはそう言うとソファから立ち上がり、リビングから出て行った。

私は陸さんの座っている向かい側のソファに座りテレビ画面を見た。

「なに見てるんですか？」

陸「えっと、TRIGGERが出てる番組だよ。」

「TRIGGER…？」

陸「そう！事務所は違うけどオレたちの先輩にあたる人たちだよ。すっごく良くしてもらってるんだ。」

「ふわぁ…カッコいいですね。」

テレビの中で激しく踊りながらも、一音も乱れることなく歌うTRIGGERを見て思わず見惚れてしまう。

私がボソッと呟くと陸さんの耳にも届いていたのか、だよね！と激しく同意をした後テレビ画面を食い入るように見つめ始めた。

…なんだかこの真ん中のひと、どことなく陸さんに似てる気がする。

率直に思ったことを陸さんに投げかけてみた。

「このセンターの人、陸さんに何となく似てますね。」

陸さんは大きく目を見開いた。

えっ、なんかまずい事言っちゃった…？

そんな私の予想とは反し、陸さんはふにゃりと顔を崩して笑った。

陸「実はね、オレと天にぃ双子なんだ。似てるって言ってもらって嬉しいなぁ！それにね、天にぃはすごいんだ…オレも早く天にぃのいるところに追いつきたい。」

天にぃっていうのはきっとこのセンターの人なのだろう。

兄弟として大好きで、先輩として尊敬してて、でもライバルとして対抗心があって…

すごくいろんな感情が渦巻いてるんだろうな、と陸さんの顔を見て思う。

それでもやっぱり…

「…大好きなんですね、天にぃさんのこと。」

陸「…うん！大好きなんだ！本当に天にぃはすごいんだ！！」

ニコニコと笑いながら嬉しそうに天にぃさんのことを話す陸さんを見て胸がほっこりと温かくなった。