Cheri【アイナナ】 (ページ43)

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第41話ページ43

体と髪の毛を洗い終わり、浴槽に溜めてあるお湯に浸かる。

静かな浴室内にお湯の揺れる音が響く。

肩までそっとお湯に浸かりながら、今日起こった目まぐるしい出来事のひとつひとつを思い浮かべる。

「…本当にいろんな事が起きたなぁ。まさか男装してIDOLiSH7のメンバーになるなんて昨日の私には想像できない事だな…」

小鳥遊さんに勢いよく啖呵切ってはみたものの、一人になって冷静に考えてみるとすごい事してるなぁ。

ほんの少しだけ、不安がよぎる。

絶対に女ってバレちゃいけないんだ、これから、男としてやっていくなんて出来るのかな…

もしもバレたら？今のIDOLiSH7のファンの人や、メンバーはどう思うだろう？

ひとつ考えると、またひとつと不安がどんどん増えていく。

今からそんな事考えても仕方ないのに、言い表せない不安に胸が押し潰されそうになる。

ーパンッ…！

浴室に乾いた音が響く。

頭をよぎる不安を打ち消すように、自分の頬を両手で叩いたのだ。

強く叩きすぎたのかほんの少し頬がジンジンとする。

「考えてても仕方ないよね…！変なこと考えるのやめよう。」

不安は拭いきれないが、自分に言い聞かせるように呟いた。

「もうお風呂出ようかな…」

私は湯船から出て、浴室のドアを開けた。

浴室のドアを開けると脱衣所のひんやりとした空気を肌に感じる。

火照った体には冷たくて気持ちいい。

私は着替えをすませると、脱衣所のドアを開けてリビングへと向かった。