Cheri【アイナナ】 (ページ30)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:140,545 hit

第28話-陸side- ページ30

-陸side-

マネージャーと何やらコソコソと話していたと思ったら、マネージャーを抱きしめようと手を広げた悠人を見て思わずストップと叫んでしまった。

どうやら叫んだのはオレだけではなく、三月さんと環もだったみたいだけど。

更にそれを阻止するように悠人の腕を引っ張りマネージャーから引き離したのは大和さんとナギさんだった。

突然のことにポカーンとした顔をしている悠人。…なんか可愛いな。

大「ちょいちょい、お前さんなにやってるの」

ナ「突然レディーにハグよろしくないです。ハグするならワタシの胸を貸しますよ？」

本当だよ！抱きつくならオレのところに来ればいいのに…って！！オレ何考えてるんだ？！！

普通ならマネージャーに抱きつこうとした悠人を羨ましがるじゃん！

オレ…なんでマネージャー羨ましいとか考えてるんだ…？？

……きっとあれだよね、オレたちよりも悠人と仲良くなってるマネージャーが羨ましかったんだよね、悠人に抱きつかれようとしてたから羨ましかったわけじゃないよな、うん、きっとそう。

変な考えが頭を埋め尽くす前にオレは考えることを放棄した。

一「…七瀬さん、さっきから何を百面相しているのですか？」

「えっ！？な、なんでもないよ！！」

少し不審者を見るような目で見られたけど百面相していたのは本当だろうから、突っ込まないようにした。

…いい加減横目で見てくるのやめてくれないかな、一織…

「でもあれだよ！悠人、マネージャーに突然抱きついたりしたらダメだよ。ほら、その、勘違いされちゃうかもしれないだろ…？」

悠人「勘違い…？」

大「要するにリクが言いたいのは、男女の関係って勘違いされ兼ねないってことだよ。」

一「そうですよ。これからあなたは仮にもアイドルとしてやっていくんですから、そんな事を軽々しくやって写真でも撮られたらどうするんです。」

悠人「あ、そっか。私今男だから…紡ちゃんに抱きついたらそう見えちゃうのか…」

何かをボソッと呟いた悠人だったけど、それはよく聞き取れなかった。