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大きなビルが建ち並ぶ路上でライブをする者が一人。
その周りには覆い隠す様に囲むたくさんの人達。
リズミカルな曲に合わせて、弾む様に楽しく歌う透き通った声。
「ねえ！ あの人ってシンガーソングライターの！」
「やばい！ ちょー上手い！ かっこいいー」
「アンコール！！ アンコール！！」
「「「アンコール！！ アンコール！！」」」
それを聞いた彼女は嬉しそうに顔を綻ばせ、頬に汗をつたらせながら笑った。
「ありがとう！ じゃあ、皆さんのご期待に応えて、『ノヴァーリス』！！」
今度は先程とは違い、静かな曲が流れる。
「やっぱサイコー！ そう思わない？！」
「確かに。ねえ、名前何て言うの？」
「知らないの！？ シンガーソングライターのAちゃんだよ！」
♪♬♪♬♪♬♪♬♪♬♪
«…続いてのニュースはこちらです。»
テレビの画面には有名なピアニストのSHINZIが映し出される。
仕事で7年ぶりに日本に帰国するらしい。
«世界的に有名なあのピアニストのSHINZIさんが……»
声が途切れる。
「……えーっと、何時に会うんだっけ？」
どうやら、彼女がテレビの電源を切ったらしい。
黒髪に一束だけ白く輝くメッシュが入っている。蜂蜜色の瞳は大きく、どことなく猫を連想させる。
今日は誰かと会う約束をしているらしく、手元のスマホでスケジュールを確認している。
「一時間後か。遅刻しない程度にぶらぶらしながら行くかな」
彼女は黒縁の眼鏡と藍色の帽子を着けると、ギターケースを背負い、部屋を去っていった。
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箱(プロフ) - 面白いです！天くんとの関係や此れからの話が気になります！更新楽しみに待ってます (2016年8月14日 18時) (
レス) id: 99d23576d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クラフティ | 作成日時：2016年8月9日 16時
