Story of RAiNBOW【九条天】 (ページ8)

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trip★*05 ページ8

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ビールにカクテル、そしてりんごジュースにて交わされる乾杯は週末に相応しいお楽しみタイム。
それぞれが１週間の役割を全うし、ご褒美として迎えた週末は３人にとって最高の時間となるわけだが。

「そういえば、八乙女はなんで遅れたんだー？別に咎めたいわけじゃないけど、お前さんにしては珍しいなと思ってさ」

「確かに。楽が遅れてくるなんて。ま、この感じはどうやら紡ちゃん関連じゃなさそうだけど」

「そりゃそうだって。うちのマネージャーには指一本ふれさせねぇっての」

「それ以前に楽が紡ちゃんの関心をひけるのかってところから問題よね」

いえーいと謎の２度目の乾杯を前にじどっとした視線を投げる八乙女。
このいたたまれない空気は遅刻への報復なのだろうかと、彼の真面目な側面が垣間見えるわけだがアルコールが入った彼にブレーキなどない。

「うるせぇ。人の恋愛事情にごちゃごちゃいいやがって」

「恋愛事情って…楽ってやっぱり意外と初心なところあるわよね。かーわい」

「八乙女…お兄さんもやめておいた方がいいと思うぞ。マネージャーはわんちゃんうちの敏腕事務員のお兄さんに御熱だと俺は踏んでる」

「めちゃくちゃ同意なんだけど。大神さん格好いいもの。是非、うちの会社で雇って私の手元に置きたいくらいには気に入ってるわ」

「冗談に聴こえないから、やめてくれません？」

最早八乙女いじりから、大神さんの写真くださいトークへと変化するそんな展開は彼等にとってはいつもの話。お戯れというやつなのだ。

そんな最中、そろそろ俺の話しを聞いてもらってもいいか、とどこか悲痛な嘆きと共に明かされる遅刻の真実は大和からすれば意外なもので、無論その事情というものにこの女性の関わりがあることも言わずもがなであるわけだが。

淡々と語られる昨夜の出来事。
彼(か)の九条天が女性関係を通してどこか様子が可笑しかったこと。
基本的に打ち解けた相手にしかその側面を見せない彼に一体なにがあったというのか、大和の頭上に次々と浮かぶハテナに楽もまた安心したように頷く…という流れの中、ぽけっとしている女性がひとり。

「ごめん、話しの腰を折るようで申し訳ないんだけど１ついいかしら」

「なんだよ、藪から棒に」

「その男の子？ってさ、誰？友達かなんか？」

時が止まること数秒。

この女はなにを言っているのか、あのTRIGGERの九条天を知らないといっているのだと理解するまで今少しまた時を要するのだった。