Story of RAiNBOW【九条天】 (ページ7)

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trip★*04 ページ7

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「んで、フラれたってわけよぉ。まじ意味わからんし、手のひらくるっくるか？貴様の頭は空っぽなのかー？って感じなわけ」

「おうおう、今日も荒れてんなあ。お姉さん。つーか、八乙女が来るまでにできあがっちまうぞ、これ」

「こらー！聞いてんのか、大和ぉ」

「はいはい、聞いてますよ～。気のせいか酔いが覚めてきたわ」

飲み始めて数十分。
仕事上がりに話しがたてこんだとかで、珍しく遅刻の連絡が入ったのは先程。

なんやかんやで先に飲んでるかと盛り上がった2人は今こうしてアルコールを解禁してしまったわけだが、大和はこの女がアルコールの猛者であることをうっかりしていたのだ。

「八乙女、早くこいよ。今どこだ！！」

「なにしてんの、馬鹿」

「馬鹿じゃないですよー。お、電話つながった！八乙女、お前、今どこだよ！！早くきて、まじで」

「やーまーとー」

と、手持ちの端末を取り上げられるかと思われたその時、「なにしてんだ、お前ら」と呆れた声が山びこの如く。

2人の耳へと届くと目の前に立つ、声の主は紛れもなく、話題沸騰中アイドル"TRIGGER"のリーダーである"八乙女楽"である。

だが抱かれたい男NO.1も、この女の前では無力と化すのが世の中不思議というべきか、それとも必然か。
半ば引き摺りこまれる形で御堂の隣へと座らされれば、ほっと息を吐いたものがひとり。

標的変更の合図である。

「お前ら、先に飲んでたのかよ」

「今回ばかりは俺が間違ってたのかもしれない…だけど、俺は早くビールが飲みたかったんだ。ビールが俺を呼んでいたんだよ…」

「楽ってば、そんな細かいこと気にしてんのー？だから駄目なんだってぇ。あははは」

「ひかり。お前は今からオレンジジュースだ。これは俺が飲む」

「はー？オレンジジュースでどう酔えばいいわけぇ。つか、オレンジならリンゴ派だから。あと100%じゃないと飲まないからぁ」

「もう酔ってるでしょー？お姉さんは」

「ったく、"天"みたいなこと言ってんじゃねえよ」

べたぁと机との同化が開始される御堂の前に差し出されたのは100%りんごジュースの一升瓶。
最早、この流れがこのトリオの常なのか、ボトルキープされていた御堂のお気に入りが現れれば掴んで離さないとはこのこと。

しっかりとホールドし、ふにゃと表情を変える女を目にすれば、呆れ笑う2人という構図ができあがるのだった。