Story of RAiNBOW【九条天】 (ページ6)

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trip★*03 ページ6

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　御堂ひかりの転生ライフが始まり、かれこれ22年。
本来ならば元の世界に帰る手段を探すだとか、恋しくて枕を濡らしてるだとか。
行動心理学上、郷愁という念に襲われても良いものの、余程のポジティブなのか、それともかなりの鈍感か。

確かに、両親に心配をかけているかもしれないだとか考えなかったわけではなかったが、こういうパターンではだいたいが人生オワコンパターン。
そう結論に至った彼女はいつしか考えることを辞めたのだ。

　そんな彼女が取り組んでいる業務は御堂のホテル事業の運営であるわけだが、幼少の頃より培ってきた語学力と機転の良さを父に買われ任されることとなったわけだが。

これがまた、期待に応えるために頑張ってしまう性格か激務も激務。
仕事馬鹿な部分は転生前と変わらず一度気になりだせばすべてやりたくなってしまう性のため、やらなくてもいい仕事まで手をだしてしまう。

それ故か、今まで恋愛というものもろくにして来ず、神から与えられたこの整った外見と財力から相手ができなかったわけではなかったのだがどうにも男運に恵まれないのだ。

仕事では先見の明があるなどと言われることも多々あったようだが、どうにもそれは日常生活ではダメダメらしい。

　そのストレスの捌け口がアルコール。
行きつけのバーを転々とし飲んだくれ、それを弟の虎於が回収するまでの流れがすっかりと板についてしまった。

「なんだか、ご機嫌ですね。ひかりさん」

現在の彼女といえば、仕事を無事に終え、鼻歌ルンルンでどう見てもご機嫌の様子。
その様子に思わず笑みをこぼした同僚が声をかけたという流れであるわけだが。

「まあね～。今日はイツメンとの飲み会だから楽しみなのよね」

「イツメン…というと、あれか。"22歳の集い"でしたっけ」

「そうそう。ネーミングセンス皆無だって他の二人には言われたんだけど別にわかりやすければいいと思わない？」

「ノーコメントですね」

なんてやりとりをし、挨拶と共に退社する御堂。
スマホをかざし、地下改札より鉄道に乗って10分程の距離か。
ふと、耳慣れた声に声をかけられ思わず口元が緩む。

「お嬢さん、夜道にひとりは危ないですよ」

「御親切に。お兄さん、中々イケてそうね。その眼鏡がちょーっと頂けないけど」

「まさかのお兄さんの眼鏡を否定か」

苦笑いを浮かべる彼は、"アイドリッシュセブン"のリーダー。
"お兄さん"こと二階堂大和である。