Story of RAiNBOW【九条天】 (ページ15)

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trip★*12 ページ15

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流されるまま車へと連れ込まれ、向かった先は星座をテーマにしたカフェか。
幻想的な空間、光景というべきか。先程までつんつんと尖っていたはずが見惚れずにはいられなかったのだろう。
すげぇなんて、年齢相応の感嘆の声に頬が緩むのがわかる。

「お気に入りのお店なんだ。ここなら人と会いやすいからさー。この適度な薄暗さで隣の人の顔とかなんとかなくしか見えないし」

「へー。仕事とかでくるわけ。別に興味ないけどさ」

「さあどうだろうね？」

「……ほんっとむかつく。性格悪すぎ」

キャンドルに照らされているからだろうか。
心なしか頬が赤いように思える。そんなそっぽを向く男の子を目にすれば、かわいらしい子だなと笑みがこぼれる。

「とりあえずなんか頼もう。ハルくんはなににする？」

「炭酸でなにかおすすめのやつテキトーに」

「わかったわ」

大人特有の余裕か、彼女の育ち良さ故か。
注文１つからも気品が漂う。そんな立ち振る舞いを綺麗だと思うがその一方で嫌な感覚を覚えるのもまた確かだった。
それは自分との明確な距離を実感するからであるわけだが―。

「ハルくんの友達。アイドリッシュセブンのふたり、良い子たちだったね」

「普通だと思うけど。それに別にアイツらはただのクラスメイトだし」

「んー？」

「……なに」

「君らにはお灸をすえてあげないといけないとかなぁと思って。でもその前にはやっぱり月雲了(あの男)を黙らせるしかなさそうかしら」

「はぁ？なに考えてんの！」

「見てられないのよ。貴方たち、４人とも不自由そう。」

強がる言葉も心の叫びにしか聞こえてこない。
漂流者(トラベラー)である私が介入してしまっては、物語に影響がでることは明白。
けれど、放っておけないのだから仕方ないじゃないか。

御堂ひかりとして生まれた"私"は、君たちに恋をしてしまったのだから。

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頑張って更新頻度あげますね。
今後とも温かく見守っていただけますと幸いです。
ありがとうございました！

湊。