オフと勉強 2 ページ2
「…………だから、こうじゃないかな」
すらすらと文字を書いて解説していくそーちゃん。
それを見て俺も見様見真似で解いてみる。
自分で解けそうな公式の最後ら辺は、そーちゃんに頼らず自力で解く。
…………解けた。
「……うおすっげー！！ 解けたよそーちゃん！！ まじこれ意味分かんなくて答え見よーかと思った」
「頑張ったね、環くん！ 最後まで諦めずに解いて偉いよ。数学は答えまでの過程が大事だからね」
ふふんと鼻が高くなる。いおりんに見せてやりてえ。いおりんも中々解けなくてうーんうーん言ってたから、俺の方が先に解けたぞって。
ふとそーちゃんが時計を見る。
「あれ、もう1時間も経ってたんだ。本当によく頑張ったね。そろそろ休憩しようか」
「いぇーい！！ふっふーん王様プリン食おー」
やっと勉強から開放されたー！ 俺はダッシュで冷蔵庫に向かった。
がらっと音を立てて冷蔵庫を開け、王様プリンを取り出す。
……ふたつ。
「じゃあ、僕スプーン用意するね。環くんは王様プリン専用のスプーンがあるんだよね。それ出しておくね」
そう言ってスプーンの入っている引き出しを開けるそーちゃん。
「……じゃあ、二つスプーン出しといてよ」
「え？ 二つ？ どうして？」
「……あんたも食うだろ、王様プリン」
一瞬呆然となるそーちゃん。
……するとたちまちそーちゃんの顔が満面の笑みに変わった。
「……うん！ 頂くね」
二つスプーンを取り出して引き出しを閉めるそーちゃんに、はい と王様プリンを手渡す。ありがとう とほっそくて白い女みたいな手で受け取る。
……もっと食った方がいいよ、そーちゃん。
「あそこ座って食おーぜ」
でかいソファーを指差す。そーちゃんがそうだねと相槌を打った。
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作者名：梅傘 | 作成日時：2018年8月18日 0時
