オフと勉強 1 ページ1
リビングの真ん中に置いてあるでっかい机で、向かい側に座っているそーちゃんと、
そのお向かいに二、三席離れて座る俺。
学校は絶賛夏休み中。普段は夏休みでも仕事があるけど、今日はオフの日。そーちゃんも丁度オフの日だったらしい。
俺は宿題を進める。そーちゃんは スケジュールの確認はもう済んだはずなのに
スケジュール帳を眺めてはぺらぺらめくってる。変なの。
「……そーちゃん」
スケジュール帳から目を離して、俺の方を見て
なあに、環くんと答えたそーちゃん。
「宿題、終わんないから、手伝って」
「うーん、解説ならしてあげられるかもしれないけど、流石に僕の手で宿題を進めるのは……ちょっと……出来ないかな……ごめんね」
申し訳なさそうな顔でそーちゃんは言った。
……別に代わりに宿題進めてなんて一言も言ってないけど。
そーちゃんが勝手な思いで解釈して勘違いするやつって事くらい分かってるし、もう慣れた。
……まあでも、結局は全部俺のいつもの態度からそう思われるんだろーな。
というかなんでそーちゃん謝ってんだろうね。
「別にそんなこと言ってねーし。てかそーちゃん、さっきからずーっとスケジュール帳ぺらぺらしてる。
同じページそんなに読んで面白い？ することないなら、俺に勉強教えて」
「えっ、あ、そうだったの？！ 勝手に勘違いしてごめんね」
また謝った。語尾がごめんねなのかな、そーちゃんって。
それから少し嬉しそうに、笑った。
「じゃあ、そうしようかな。力になれるか分からないけど、出来る限り分かりやすく教えられるよう頑張るね」
がんばる、って……いっつもそんな感じで疲れないのかな。
俺の相手するのに、がんばるような勇気が必要なのか とかちょっと思っちまう
「……そんな、がんばらなくていいから。いつもどーりに、俺が聞いたことに答えればいいだけだし。一応あんたの相方なんだから、気楽にしてよ」
なんでか知らないけど、口角が上がるそーちゃん。
「……そうだね！ じゃあ、なんでも聞いてね。なんでも答えるから」
「うす。んじゃこっち来なよ」
隣の椅子を引いてそーちゃんを隣に呼ぶ。
「うん！」
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作者名：梅傘 | 作成日時：2018年8月18日 0時
