宵が醒めるまで【アバッキオ】★ ページ6
「レオーネの、バカ」
そう呟きながら、私はお酒の入ったグラスを口元に傾けた。唇にグラスが当たるが、中のそれを飲む気にはなれなかった
はあ、とため息をついてグラスを机に置いた。私がこんなに憂鬱な思いをしているのは、やはりアイツのせいだ。ちくしょーめ
「誰がバカだって？」
「レオーネが！！…あ」
聞き慣れた低い声に反射で思わず返答してしまう私。しまった。顔を恐る恐る上げると、何時にも増して仏頂面の彼がいた
「俺がどうしてバカなんだ」
どかっと隣に腰掛けて、彼は私に顔を近付ける。口元が少し歪んでいることから、彼はこの状況を楽しんでいることが容易に想像できた
「何でもないっ」
ふん、と鼻を鳴らし、手持ち無沙汰だった私は先程飲まなかったカクテルを飲み干した
「当ててやろうか」
長い足を組み直して、にやりと笑った。近かった顔は遠ざかっていき、私はほっと胸を撫で下ろした
「例えば…俺が知らん女と話してた、とか」
「…」
「そしてだ。その女に腕を組まれた、とか」
「…」
「最後に、その女に抱きつかれた、とか…」
「…分かってんじゃん」
仮にも私達は恋人同士なのだ。彼が知らない女と密接して楽しそうにしてるのはあまり良い気がしない。否、全く良くない
大きく、そしてわざとらしくため息をついた。いや、彼がモテるのは分かってる。そして私が彼と釣り合わないことだって分かってる。彼のことを一人占め出来る訳じゃあないのだ
「おい…悪かったって。別にあんな女、どうでもいい奴だろ。Aには及ばねえ」
「ウソだ。ダマされないから」
二杯目のグラスに伸ばした手を彼に掴まれる。びっくりして固まっていると、素早く腕を引かれて彼の腕の中に収まった
「ちょっ、と、何するのよ」
「信じねぇって言うんなら、一生このままだぜ」
彼の分厚い胸板に押し付けられ、苦しい。彼の匂いに包まれながら、私の背にまわる力強い手に、意識を奪われる
途端に顔が赤くなる
「赤いぞ」
「…酔ったせい」
「俺にか」
「お酒によ…」
あながち間違いではない、という言葉は口に出さなかった。言ったら調子に乗るだろうから、絶対に言ってあげない
上を盗み見ると、赤い耳の端が見えた。私はそれに気づかないフリをして、彼の胸に顔を埋めた。これもお酒に酔ったせいにしよう
まだまだ夜は長い
宵が醒めるまで、酔いが覚めるまで。ずっとこのままで居たい
意地悪で優しい彼【ブチャラティ】★→←夜を生きて死ぬ【シーザー】★
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たつみ(プロフ) - 海月さん» いえいえ、私もサーレー好きなのでリクエスト貰えて嬉しいです、ありがとうございます！海月様の思っていたものと違っていないかどうか不安でしたが、ご期待に添えられたようなら良かったです＜(_ _)＞また機会があればよろしくお願い致します！ (2021年6月4日 13時) (
レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - リクエストにお応えしていただきありがとうございました。今回もとても素晴らしいお話でした。サーレーの夢小説を書いてくれる人は少ないので助かっています。本当にありがとうございました。 (2021年6月4日 7時) (レス) id: fb1aebaa24 (このIDを非表示/違反報告)
たつみ(プロフ) - 海月さん» 了解です！遅くなってすみません(>_<;)出来上がった話に問題点があったら遠慮なく仰ってください！少々お時間頂きます＜(_ _)＞ (2021年6月4日 0時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - リクエスト失礼します。サーレーの夢をお願いします。病んでいる感じで書いてくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。 (2021年6月1日 22時) (レス) id: fb1aebaa24 (このIDを非表示/違反報告)
たつみ(プロフ) - モモまんじゅうさん» 了解です！ありがとうございますm(*_ _)m完成したものに何か気に入らない点などがありましたら、遠慮なく仰ってください！ (2021年5月28日 21時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペンシル x他1人 | 作者ホームページ：http://uranaimonsuto
作成日時：2018年12月30日 17時
