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貴方だけの女神【アバッキオ】★ ページ20

「俺だけのデーア、何処にも行かないでくれ…」

「レオーネ、大丈夫。私はずっとここに居るわ」


彼は床に膝をつき、よく、こうしてソファに座る私の膝に子供のように縋り付いてくる。昔は貴方と対等な、恋人同士のハズだったのに。今では神と人、そのような関係になってしまった

彼は私をデーアと呼ぶ。Aではない。女神だと、私を呼ぶ。私の事を名前で呼んだ最後の日は、一体いつだったか。もう覚えていない



「デーア、ああ、愚かなこの俺を許してくれ、どうか…」


彼は祈るように、私にそう囁く。許すも何も、私は何も彼に対して怒ってはいない。ただ、勝手に神のように扱われていることに対しては、少しだけ不満かもしれない


「許してあげるわ。だから、私の下に座ったりなんてしないで」


彼の頬を優しく撫でて、諭すように言う。彼は他人には強く見せているが、私に見せる彼はどうしても弱い彼だった

彼は首を振る。まるで、下民は貴女と立場が違うから、というように。なんて酷い話だ。私は人として貴方を愛しているのに


「愛しいデーア、俺を見捨てないでくれ、離れないでくれ…!」



膝に抱きつく力が強くなり、懇願するような悲痛の声を彼があげた。何故だろう、私は彼から離れ、捨てようとなんて思ったことがないのに


「レオーネ、私は貴方以外はどうでもいい。信じて」


きっと彼は、私の事を信じていないんだわ


私はそう思って胸が傷んだ。彼の悲しそうな雰囲気に充てられたのかもしれない。だけど私は、私の気持ちを無視して彼の髪を撫でた


私は本当に貴方以外はどうでもいい。神様ならば全ての人類を愛すべきだが、構うものか。だって、私は貴方だけの女神なのだから



「レオーネ、顔を上げなさい」


彼はこう言えば言うことを聞く。まるで神託を聞いているかのように。徐ろに顔を上げた彼の瞳には、微かに涙が浮かんでいた


「私が本当に愛しているのは貴方。周りや貴方がどう思おうと、これは揺らぐことの無い事実よ。絶対に」


微笑んでそう言えば、彼は息を呑むようにして言葉を返す


「本当に俺を、捨てない、のか」


「ええ!どうして貴方がそう思うのか、私にはさっぱりだわ」


キッパリそう言ってしまえば、彼の顔は明るくなる。目に浮かんでいた涙はいつの間にか消えていた


「デーア、一生俺を見守っていてくれ…」


彼がそうつぶやくのを聞き、あ、私への思いをまた悪化させてしまった、と思うが、一件落着したので良しとした

無垢で甘いもの【セッコ】★→←想い合い、重い愛【チョコラータ】★



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設定タグ:ジョジョの奇妙な冒険   
作品ジャンル:アニメ
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たつみ(プロフ) - 海月さん» いえいえ、私もサーレー好きなのでリクエスト貰えて嬉しいです、ありがとうございます!海月様の思っていたものと違っていないかどうか不安でしたが、ご期待に添えられたようなら良かったです<(_ _)>また機会があればよろしくお願い致します! (2021年6月4日 13時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - リクエストにお応えしていただきありがとうございました。今回もとても素晴らしいお話でした。サーレーの夢小説を書いてくれる人は少ないので助かっています。本当にありがとうございました。 (2021年6月4日 7時) (レス) id: fb1aebaa24 (このIDを非表示/違反報告)
たつみ(プロフ) - 海月さん» 了解です!遅くなってすみません(>_<;)出来上がった話に問題点があったら遠慮なく仰ってください!少々お時間頂きます<(_ _)> (2021年6月4日 0時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - リクエスト失礼します。サーレーの夢をお願いします。病んでいる感じで書いてくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。 (2021年6月1日 22時) (レス) id: fb1aebaa24 (このIDを非表示/違反報告)
たつみ(プロフ) - モモまんじゅうさん» 了解です!ありがとうございますm(*_ _)m完成したものに何か気に入らない点などがありましたら、遠慮なく仰ってください! (2021年5月28日 21時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ペンシル x他1人 | 作者ホームページ:http://uranaimonsuto  
作成日時:2018年12月30日 17時

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