和泉一織の彼女【和泉一織】 (ページ2)

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｢行ってきます｣

今日は散歩。と言って家を出た

本当は散歩ではないのだが。
どう嘘をついたらいいか…難しいのだ

寮から徒歩15分ほどに私の目的地がある。

仕事が終わったら、ほぼ毎回行っている場所

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ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

はーい！と可愛らしい声が、ドア越しに聞こえて
幸せを感じる。

ｶﾞﾁｬ

『やっほ！一織！』

｢おはようございます｣

『さ、入って！』

第一印象は、誰もが明るく可愛げのある方。と感じる

だが、親交を深めていけば、私しか知らない彼女の愛らしさが。

『ごめんね一織、何もできなくて』

｢そんなことないですよ？貴方が居るだけでいいんですから。｣

『うーん、嬉しすぎる』

｢ふ、かわいいですね｣

ぎゅっと優しくハグをする。
そうすると、少し顔を赤くして、腕をまわしてくれる

『あ～、一織が良い匂い…』

｢なんですかそれ、笑｣

『好きだー！』

って言って胸に頭を押し付ける

｢私も好きですよ｣

『ありがと…今日は何時に帰るの？』

｢えっと、1時でしょうか…｣

『そっか…』

今は12時近く。時計を見て、小さなため息をこぼす彼女に、胸が痛くなった

『じゃあさ！』

パッと背中にまわしていた手を下ろし
私を見上げる

『お昼ごはん一緒に食べない？』

｢ふ、いいですね｣

『何食べる？』

｢何があるんですか？｣

少しの時間を有意義に過ごす。