どたばた探偵? ページ9
そして翌日。
結局この日まで悠くんとはラビチャをすることも無く会うことになったんだけど、
「(ボソッ ちょ、七瀬さん、はみ出てますよ…!」
「一織もう少し寄ってよじゃあ!」
「Hm〜密偵もなかなか楽しいデスね〜」
「ナギ、変に目立とうとすんなって!顔ちゃんと隠せ!」
うん、バッチリ聞こえてます←
知らないフリして駅近くのカフェの窓際の席で小説を読んでいるけど、僕の席の少し離れた角の席に一織くん、陸くん、ナギくん、三月くんの4人が僕の方をちらちら見ながら話していた。
そりゃあ目立つよね…4人がいる席の周りの女の子達はソワソワしてるし。
「………ねぇ。」
「あっ、悠くん。」
声をかけられ見上げると、少しムッとした表情の悠くんが見下ろしていた。
「久しぶりだね、元気にしてた?」
「…普通。」
「そっか……ごめんね、ラビチャ返せなくて…」
「…いや、俺の方こそ、しつこくてごめん…」
お互いに謝ると気まずい雰囲気が流れる。
「とりあえず、座りなよ。何飲む?カプチーノが美味しいらしいよ。」
「じゃあ、それで。あんたは?何飲むの?」
「僕は…コーヒーでいいかな。」
「…やっぱり、同じの。俺もコーヒー飲む。」
「そう?分かった。」
悠くんの申し出に少し驚きつつ、店員さんを呼んでコーヒーを頼んだ。
「…………」
「…………」
再び、気まずくなる。
なにか話題を…と考えていると。
「あのさ。」
「っえ、なに?」
「何その返事。ウケるんだけど。」
「いや、びっくりしちゃって…」
唐突に声をかけられ変な声が出た。それを聞いて悠くんは小さく笑う。
「えっと、何かな?」
「体調は大丈夫かよ。」
「ん?あぁ……大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。悠くんは大丈夫?」
「…ん。」
「お待たせしました、コーヒーです。」
ちょうどいいタイミングで店員さんがコーヒーを置いていく。ソーサーに置かれていたミルクを足してマドラーで混ぜる。
「凄いね、悠くんは。」
「なんで?」
「ZOOLって、最近出てきたばかりでも結構前線で頑張ってるでしょ。辛いはずなのに、パフォーマンスとかすごくて。」
「…もう、慣れたよ。」
ぽつりと呟く悠くんの顔から、心做しか悲しみが滲んでいた。
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Rusia(プロフ) - 八乙女楽の作った蕎麦さん» 同志…!本当に好きすぎてユニット曲第2弾とか出ないかなってめっちゃ思ってます(*´ω`*) (2019年12月25日 7時) (レス) id: 3d77ac0eef (このIDを非表示/違反報告)
八乙女楽の作った蕎麦 - そばゴラスいいですよね(*´▽`*) (2019年12月25日 7時) (レス) id: 65acce4bcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rusia | 作成日時:2018年6月23日 8時