"兄" ページ13
+壮五side+
｢ケホッ、ケホッ……｣
いつぶりだったか、こんなに重い風邪を引いたのは。
誰もいない部屋の中に、僕の咳が響き、思わずため息をついた。
嗚呼、環くんが心配だ。彼のことを信用していない訳では無いけど、やっぱり心配になる。
僕の馬鹿。なんで今日に限って風邪を引いたんだ。もっと体を丈夫にしなくては…
｢ただいま、壮五くん。｣
｢え……岸川、さん…？｣
自分に呆れていると、部屋の扉が開いて岸川さんが顔を覗かせる。
｢えっ、環くんは……？｣
｢環くん、壮五くんを心配して、送ったら帰って面倒見て欲しいって。ちゃんとレコーディングやり遂げて、タクシーに乗って帰ってくるって。何かあったら連絡入れることにしたから。｣
｢……そう、ですか。｣
その言葉に僕は思わず感動した。環くんの成長が素直に嬉しかった。
｢今、食欲は？｣
｢ん……少し、空いてます。｣
｢じゃあお粥、温めてくるよ。｣
岸川さんは僕の頭を撫でて、お粥を取りに部屋を出ていった。
･
｢……38.6。ご飯食べて薬も飲んで、少し良くなったね。｣
岸川さんが作った梅のお粥はとても美味しく、少ししか食べれないと踏んでいたが茶碗1杯分は食べることが出来た。
この位料理が出来れば、環くんは好き嫌いせず食べてくれるのだろうか。
だんだん、ウトウトしてきた。いつも風邪を引いても両親は仕事で、僕の看病をしてくれた事がなくて、ベッドで寂しい思いをしていた。
岸川さんに頭を撫でられ、手の大きさを意識してしまう。
僕より少しだけ大きい手。｢安心｣を与えてくれる手。
僕に"兄"がいたら、きっと、こんな感じだったのだろう。
｢あ…冷えピタ、温くなってきたから貼り変えようか。新しいのを持ってくるよ。｣
｢待って…………！｣
｢…？｣
手を離して部屋を出ていこうとした岸川さんの腕を掴む。
｢あ……あの…もう少し、だけ、いて、くれませんか。｣
｢壮五くん……？｣
｢…えっと、岸川さんが……迷惑でなければ。｣
｢迷惑なんかじゃないよ。もう少し、一緒にいよう。｣
優しい笑顔でそう答えた岸川さんは、座っていた椅子に再び座る。
何故かずっと掴んでいた腕に触れていることで安心感を覚え、遂に眠りについた。
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Rusia(プロフ) - 八乙女楽の作った蕎麦さん» 同志…！本当に好きすぎてユニット曲第2弾とか出ないかなってめっちゃ思ってます(*´ω｀*) (2019年12月25日 7時) (
レス) id: 3d77ac0eef (このIDを非表示/違反報告)
八乙女楽の作った蕎麦 - そばゴラスいいですよね(*´▽｀*) (2019年12月25日 7時) (レス) id: 65acce4bcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rusia | 作成日時：2018年6月23日 8時
