6:連れ去りたい ページ6
お屋敷に戻ってきた。
私はお屋敷の門の前で望さんの姿が見えなくなるまで手を振った。そして、玄関まで歩こうとしたその時…
??「あの!」
振り向けばあの時私と目が合った人…
私は思わず再び閉まった門に近づいた。
神山「初めまして、俺、神山智洋と言います!
あの…この間貴方と目が合って…接触する機会をずっと伺ってました…
すみません……気持ち悪いですよね…
でも…あの時見た目が忘れられへんくて…」
私は嬉しかった…
思いが通じた事がとっても嬉しかった。
「初めまして、私は山下Aと申します。
私のSOSに気づいてくれてありがとうございます。
誰にも気づいてもらえないと思っていたので…」
神山「あの…良かったら連絡先交換しましょ!」
「えっ…でも……」
神山「ほら、見つかる前にはよスマホ貸してください。」
「わ、わかりました!」
神山さんの圧に圧倒され思わずスマホを出してしまった。
今更ながらこれでいいのかとなってしまう。
神山「はい、これでよし…
また何かあったら連絡しますね。」
「はい。」
神山「では…また今度。」
そのまま神山さんは帰って行ってしまった。
もし…もしこのまま神山さんが来て一緒にここを抜け出す事を手伝ってくれるのであれば…私は神山さんに従うことができるのだろうか…
『言うことが出来ない』『何も出来ない』となると神山さんは私を見捨てるのかな…
・
神山side
今日で接触してみてハッキリわかった。
俺は絶対あの人を助ける。
たとえ世界が軽蔑したって…綺麗な愛じゃなくたって…
『家においで』『抱きしめたい』
そう伝えて拒否されても無理矢理。
そう伝えなあの人が壊れてしまう。
もう誰にも止められない。俺の思いは…
絶対あの家から連れ去ってやる。
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作者名:赤い天使 | 作成日時:2023年4月14日 16時