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門から離れた私は望さんが何かモゾモゾしているように感じた。
小瀧「実は……Aに買ってきたものがあるんや…」
「………………?」
小瀧「これ……」
望さんが出してきたのは指輪。
小瀧「ほら、婚約者やしさ…1回やってみたかってん……」
「望さん…」
小瀧「手……出して?」
私は望さんに手を差し出す。
出してもいいのか一瞬迷ったが私に逆らう権利は無い。
望さんがつけてくれた指輪はピッタリでとても綺麗に思えた。
小瀧「うん、やっぱ似合ってる!」
「本当ですか?……嬉しい…」
私は指輪を見ながら微笑んだ。
得意の作り笑いで…
小瀧「さ、そろそろ戻るか。
夜はまだまだ冷えるからな。風邪ひいたらいかんし。」
「……そうですね。」
私…抵抗してもいいよね……
これに掛ける…門の外に……もしまだあの人達が居るのなら…送ってみる価値はある。
2人のうち…1人だけでも気づいてくれるといいけど……
私はお父様の元へ戻る前に門の方を見て……
《たすけて…》
そう目で訴えた。
お父様の元へ戻ると…
小瀧「お父さん、もう戻るの?」
小瀧父「あぁ、いい感じに話も進んだしな。」
父「では、また今度お食事でもしましょう。」
小瀧父「あぁ、また。」
父「A、帰るぞ。」
「はい。」
小瀧「またね、A」
「えぇ、また。」
車に戻り、帰宅途中……
父「外に出た時、望くんと何してたんだ?」
「え?あぁ…望さんに指輪を頂いたんです。」
父「それは良かったな。
望くんと上手く交流出来てるようで私は嬉しいぞ。」
「ありがとうございます。」
父「期待しているからな。A」
「…はい。」
ごめんなさい、お父様。
もしかしたら私…貴方の期待に応えられないかもしれません。
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作者名:赤い天使 | 作成日時:2023年4月14日 16時