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元は、小さな村の生まれだった。
人口の少ない村で、村人の期待を受けながらこの世に生を受けた俺。
しかし、俺が産まれた瞬間
俺は、産声と共に涙を流すのではなく…その瞳と同じ色の、薄紫色の宝石を流した。
さらに言うと、俺は産声もあげなかった。
…声が出なかったのだ。
俺は、声を失ったまま産まれてきてしまった。
産声もあげず、ただただその瞳から小さな宝石をパラパラと流し続ける俺をみて両親はどう思っただろうか。
……"気味が悪い"
そう思ったに違いない。
両親はすぐさま村に見せ物屋を呼び、俺を売った。
"涙の代わりに、宝石を流す子供"__
それは格好な見せ物屋の金稼ぎの道具で、見せ物屋は嬉々として俺を買い取った。
…それからは、想像がつくだろう。
赤子の頃はまだ良かった。
赤子は泣くのが仕事で、何もせずとも勝手に泣くため宝石が次々と溢れ出した。
その為見せ物屋も鞭で打ち付けるなど非情な行為をせずとも、泣いている俺を晒すだけで金が入った。
…だが、少し大きくなってきた時
中々泣かない俺に痺れを切らし、見せ物屋は鞭で背中を打ち付けるようになった。
初めの頃はすぐ泣いた。
痛くて怖くて、もし声が出ていたら耳を劈くような悲鳴が出ていただろう。
…でも暫くたった頃。
俺は泣かされているのに無意味な劣等感を抱いた。
"このまま、この男の金稼ぎの道具にされるのは気に食わない"___
そう思い始めてから、直ぐには泣かないようにした。
…まぁそんな抵抗も意味がなく、泣くまで打たれ続けるのだから結局は泣かざるを得ないのだが。
どうやら俺を買ってから、見せ物屋はかなりの大金を手に入れ続けているらしくそれはそれは贅沢な生活をしている。
その金を稼ぐための大事な道具である俺は、まぁ贅沢とは言えないが死なない程度の生活は保証されていた。
別にここから逃げ出したいなんて思っていない
逃げ出したところで、すぐに飢えて朽ち果てるのが目に見えているのだから。
それならもういっそ、このまま見せ物として生きていく方がよっぽど良い
___と、思っていた。
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そな - なにこの神作。先後輩がすきな僕にとっては、得でしかないんだが…。このお話、友達に教えても良いですかねぇ…てか、伸びないのが不思議…。 (2020年10月5日 0時) (
レス) id: 4f39522c1e (このIDを非表示/違反報告)
音羽リンのサブ(プロフ) - 赤羽やみよ(あいるサブ)さん» ありがとうございます…！！きっといつか伸びてくれると信じてます() (2020年3月5日 20時) (レス) id: 0a9f7cdb53 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽やみよ(あいるサブ)(プロフ) - 神作品！なんで伸びないのか… (2020年2月29日 22時) (レス) id: 251e58f01e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リンのサブ | 作成日時：2020年2月23日 16時
